全日本空輸(ANA/NH)は12月27日、総2階建ての超大型機エアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」の初号機(登録記号JA381A)の外観を洗浄する作業を報道関係者に公開した。全長72.7メートル、全幅79.8メートル、全高24.1メートルの機体を15人掛かりで6時間かけて1年の汚れを落とし、2022年1月1日の初日の出フライトに備える。
A380の外観洗浄は、高所作業車を使って機体の高い部分を作業する班と、地上で作業する班の2班に分かれて作業。水洗いした後に薬剤が入ったバケツやモップ、ブラシなどを使って汚れを落としていく。
作業を受託している羽田空港グランドサービスの佐藤皇太さんによると、A380の洗浄作業では、作業範囲が限定されている高所作業車の位置決めや、アンテナなどの突起物に気をつけて作業を行っているといい、機体後部に付着しやすい油汚れを落とすのに苦労するという。
小型機のボーイング737-800型機の場合、9人で2時間かけて洗浄するが、A380は人数が約1.7倍、作業時間が3倍、水の使用量は3.5倍になる。2階建てのA380の場合は「高いところまで上がって棒を振るので、自分が落ちないことを一番気をつけています」と話していた。
27日に実施した「No.2クリーニング」と呼ばれる洗浄作業の場合、通常は100日間隔で実施することになっているという。現在は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、A380は成田-ホノルル線の定期便運航から離脱しているため、イベント前などに汚れ具合などを見て実施している。ANAによると、前回は今年の4月26日、その前は2020年8月に洗浄したという。
ANAのA380は全機にハワイの空と海、夕陽をイメージした特別塗装を施しており、初号機が青(ANAブルー)、2号機(JA382A)が深緑(エメラルドグリーン)、3号機(JA383A)がオレンジ(サンセットオレンジ)と1機ごとに色が異なる。機首の表情も、正面を見る初号機、ほほ笑む2号機、まつげを描いた3号機と違いがある。
今年の元日に続き、2年連続でA380が投入される成田発着の初日の出フライトには、現時点で初号機が投入される予定。「初日の出フライトで、きれいな朝日を見ていただきたいです」(佐藤さん)と話していた。
今回の作業後は、次のA380の洗浄作業は決まっていないという。
*写真は14枚。
関連リンク
ANA FLYING HONUチャーターフライト 2022年 2月
全日本空輸
A380初日の出フライト
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写真特集・ANA A380 FLYING HONUの機内
(1)個室ファーストクラスでプライバシー確保(19年5月21日)
(2)ペアシートもあるビジネスクラス(19年5月22日)
(3)2階後方にゆったりプレエコ(19年5月23日)
(4)カウチシートもあるエコノミー(19年5月24日)