ルフトハンザ ドイツ航空(DLH/LH)は現地時間11月18日、ボーイングの次世代大型機777Xの飛行試験初号機(登録記号N779XW)がフランクフルト国際空港に到着したとTwitterに投稿した。777Xはドバイ航空ショーに出展後、カタールのドーハを経て18日午後2時すぎにフランクフルトへ着陸した。
ルフトハンザは、777Xを2013年9月19日に発注したと発表。当初は34機だったが、現在の確定発注は20機となっている。ビジネスクラスに新シートを導入する計画で、横4席の1-2-1配列や横3席の1-1-1配列により全席が通路に面し、最長220センチのフルフラットとなる。個々のスペースを拡大し、収納スペースも拡充する。
777Xはメーカー標準座席数が2クラス384席の777-8と、426席の777-9の2機種で構成。航続距離は777-8が最大8730海里(1万6170キロ)、777-9は7285海里(1万3500キロ)を計画している。日本の製造分担割合は、現行の777と同じ主要構造部位の約21%となる。
エンジンは、米GE製GE9Xを2基搭載。翼は炭素繊維複合材を用いて軽量化するとともに、777の主翼よりも長くなった。このため、翼端を折りたためる機構を取り入れ、777が現在乗り入れている空港に就航できるようにした。地上で64.8メートルの全幅は、翼端を展開すると71.8メートルに広がる。
777Xの胴体外径は777と同サイズになるものの、客室幅は構造変更により4インチ(10.16センチ)広くなる。飛行中の揺れを軽減する「スムーザー」を採用したり、機内の湿度を777よりも過ごしやすい値に改善する。
現在の計画では、航空会社への引き渡し開始は2023年後半となる見込み。10月31日時点の確定受注は361機で、このうちエミレーツ航空(UAE/EK)が156機と半数近くを占める。カタール航空(QTR/QR)が60機、シンガポール航空(SIA/SQ)が31機、エティハド航空(ETD/EY)が25機、キャセイパシフィック航空(CPA/CX)が21機、ルフトハンザが20機、全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が20機、ブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)が18機、残り10機が匿名顧客となっている。
ボーイングによると、777Xの飛行試験初号機はフランクフルト滞在後はシアトルへ戻るという。
関連リンク
Lufthansa News(Twitter)
ルフトハンザ ドイツ航空
Boeing
ボーイング・ジャパン
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