ボーイングがシアトル近郊のエバレット工場で製造した最後の787型機である全日本空輸(ANA/NH)の787-9(登録記号JA937A)が11月9日夜、羽田空港へ到着した。
ボーイングは2020年10月に、2カ所ある787の最終組立工場を米サウスカロライナ州ノースチャールストンの「BSC(ボーイング・サウスカロライナ)」に集約すると発表。ANAの787-9がエバレット製最後の機体となった。同社の787では初めてGE製GEnx-1Bを採用し、羽田へ10月13日に到着したJA936Aに続いてGEエンジン搭載機となった。
座席数もJA936Aと同じ国内線用の2クラス375席仕様で、プレミアムクラス28席、普通席347席。シートは2019年11月に就航した777-200の新仕様機と同等のものを採用し、落ち着いた雰囲気の客室になる。従来の787-9の国内線機材は2クラス395席(プレミアムクラス18席、普通席377席)で、プレミアムクラスが10席増えた。
JA937Aは現地時間11月2日に引き渡され、羽田へのフェリーフライトのNH9397便として米カリフォルニア州ビクタービルを8日午後1時30分に出発し、同44分に離陸。羽田には9日午後6時9分にC滑走路(RWY34R)へ着陸し、格納庫前の202番スポットへ同24分に到着した。ANAによると、就航時期は未定だという。
ANAは787のローンチカスタマーで、2004年に世界で始めて発注。初号機のJA801Aを10年前の現地時間2011年9月25日に受領し、羽田には28日に到着した。世界初の787による商業運航は、同年10月26日に成田を出発した香港行きチャーターのNH7871便で、定期便は国内線が同年11月1日の羽田発岡山行きNH651便、国際線は翌2012年1月14日の羽田発北京行きNH1255便、787の特徴を生かせる長距離国際線は同月21日の羽田発フランクフルト行きNH203便が初便となった。
JA937Aを受領したことで、ANAが受領済みの787は、787-8が36機、787-9が39機、787-10が2機の計77機になった。今年度内に受領が確定しているのは1機で、787-9の国内線仕様機となる。
関連リンク
全日本空輸
Boeing
ボーイング・ジャパン
写真特集・ANA 787-9国内線新仕様機
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普通席編 フィット感追求した全席画面・電源付きシート(22年1月4日)
国内線新仕様機の機内
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787製造はサウスカロライナ集約
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【お知らせ】
フェリーフライトの実績値と客室仕様、今後の受領予定を追記しました。(21年11月11日 22:21 JST)