日本航空(JAL/JL、9201)は11月9日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のワクチン接種証明書について、スマートフォンアプリで確認する運用を開始した。デジタル証明書アプリ「VeriFLY」を活用することで、従来は紙で用意する必要があった証明書類を一元管理できるようになる。JALの地上係員は、同日からの羽田発米本土行きを対象に、各種証明をVeriFLY上で確認する搭乗手続きをスタートした。
—記事の概要—
・必要書類はアプリで完結
・ハワイ行きは年内めど
必要書類はアプリで完結
VeriFLYは米Daon社が開発したスマートフォンアプリで、利用客は米国が認めるワクチンの接種証明書に加え、新型コロナの検査証明書を登録する。このほか、渡航先の入国要件に合わせた準備書類などを事前に参照・入力・管理できる。米本土路線の利用客は、出発時に空港のチェックインカウンターでアプリ上の渡航判定結果を提示し、搭乗手続きを進める。
米国では現地時間8日から、入国時のワクチン接種完了の義務付けを開始。接種を完了している場合でもPCR検査の陰性証明が必要で、この2つの証明書はVeriFLYに登録できる。また米CDC(疾病予防管理センター)は米国へ入国する旅客に対し、宣誓書(Attestation)の提出を求めている。通常は紙に記入し、チェックイン時に提出する必要があるが、VeriFLYでは陰性証明書のほか宣誓書も登録できるため、宣誓書の持参が不要となる。これまでチェックイン時に提示が必要だった書類は、アプリのみで済ませることができる。
VeriFLYでは接種完了証明と陰性証明、宣誓書の3つを管理。必要な書類データがそろっている場合、アプリ上のチェックリストに印が表示され、空港の地上係員は各書類をスムーズに確認できるようになる。
JALは4月末からVeriFLYの実証実験を進め、10月に本格運用を開始した。ワクチン接種証明書をアプリで登録できるようになったのは、日本ではJALが初となった。VeriFLYは現在、国内ではJALのみが運用。このほかアメリカン航空(AAL/AA)やブリティッシュ・エアウェイズ(BAW/BA)、イベリア航空(IBE/IB)など、JALも加盟する航空連合「ワンワールド・アライアンス」の各社を中心に導入が進んでいる。
ハワイ行きは年内めど
9日からVeriFLYで確認する搭乗システムを開始したのは、午前10時40分発のシカゴ行きJL10便と、同55分発のダラス行きJL12便、同11時5分発のニューヨーク行きJL6便の計3便。数人の利用客が接種証明書や宣誓書など、VeriFLYに表示された必要書類をチェックインカウンターの地上係員に提示し、搭乗手続きを進めた。
利用できるのは羽田と成田発の米本土行きで、グアム・ハワイ行きは対象外となる。米本土発はニューヨークとボストン、サンディエゴ、サンフランシスコ、シアトル、ダラスからの日本行きが対象となる。現在は対象外となっているハワイ路線も、年末に予定している増便までには導入できる見込みで、今後は欧州とアジアの各路線にも展開を検討する。
VeriFLYへの入力から認証までは、4時間程度かかる。JALでは前日までの認証完了を推奨する。
関連リンク
新型コロナウイルス感染症関連デジタル証明書アプリ「VeriFLY」について(日本航空)
VeriFLY(Daon)
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