日本航空(JAL/JL、9201)と双日(2768)は11月2日、両社が出資するJALUX(ジャルックス、2729)の株式をTOB(公開買い付け)すると発表した。買付価格は1株2590円で、買収総額は約156億円になる見込み。共同出資会社SJフューチャーホールディングスを通じて2022年2月上旬にTOBを開始し、JALUXを非公開にする。共同出資会社にはJALが50.50%出資しており、連結子会社化することでJALUXが運営する通販サイト「JALショッピング」などを通じてJALグループのEコマース(電子商取引)を強化する。JALUXはTOBに賛同を表明した。
JALUXは、JALの商事・流通系子会社として1962年3月28日設立。現在はJALショッピングや空港売店「BLUE SKY」の運営、航空機や航空機部品、空港用特殊車両、整備用機材、空港用地上機材などの販売や業務委託、海外での空港運営、ワインや農産品の輸入などを手掛けている。
現在の持ち株比率は双日が22.22%、JALが21.56%、日本空港ビルデング(9706)が8.08%、少数株主が48.14%。TOB後は共同出資会社が48.14%、双日が22.22%、JALが21.56%、日本空港ビルが8.08%となり、10月1日に設立した共同出資会社にはJALが50.50%、双日が49.50%出資していることから、JALがJALUXの議決権の過半数を実質的に持つことになる。
JALの経営企画本部長 兼 経営管理本部長の斎藤祐二常務は「中期経営計画で事業構造改革を進めており、コマース事業を強化して収益源にしていく。JALUXを活用するのが一番早く、6月くらいから検討してきた」と説明した。JALのマイル会員制度「JALマイレージバンク(JMB)」と、JALUXが運営するJALショッピングでは顧客基盤が異なることから、連結子会社化によりコマース事業の強化につなげる。
JALUXは防衛省など官庁向けの事業も手掛けているが、斎藤常務によると連結子会社化後も事業領域に変化はないという。
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