クリスマス恒例となった日本航空(JAL/JL、9201)の客室乗務員有志によるミュージックベル演奏チーム「JALベルスター」の練習が10月26日、羽田空港内で行われた。
JALでは毎年年末に、ベルスターによるミュージックベル演奏を羽田空港などで披露している。結成は1995年で、2019年に25周年を迎えた。応募倍率は例年5倍程度で、今年は音楽経験があることを条件に募集し、入社2年目から4年目までの8人が選ばれた。全員がピアノ経験者で10年以上弾いている人が多く、ピアノに加えてアルトサックスなど管楽器も演奏できるメンバーがいる。
4回目の練習となった26日は、本番で演奏する10曲のうち、合奏練習が進んでいる3曲の確認や、残りの曲の楽譜作りなどが行われた。ベルスターは前年のメンバー1人が翌年はリーダーとして参加し、演奏技術などを継承してきた。今年は入社4年目の木村汐里さんが昨年に続いて参加している。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で、昨年の本番は2回のライブ配信のみとなり、例年のように地方を巡ることもなく活動終了となった。
ベルスターは毎年テーマを掲げており、今年は「With you 〜未来へのハーモニー〜」に決まった。木村さんは「ともに乗り越えようという気持ちと、困難に立ち向かう強さが今の時代にふさわしいのではないかと思いました」と話す。メンバーが顔合わせをした1回目の練習で、テーマにふさわしい言葉を考えてきて欲しいと呼びかけ、2回目に集まった際にコロナの影響やJALが今年で創立70周年であることなどを思い浮かべながら決めていったという。
披露する10曲は新しいレパートリーを中心にするといい、数曲をつなげて演奏するメドレーも、今年らしい選曲を心掛けているそうだ。「練習でここはこうした方がいい、と意見を言える人が集まっていますね。装飾など演奏以外でも支え合っています」(木村さん)と、メンバーが自発的に動いている。
観客の前で演奏する例年とは異なる活動になった昨年のベルスターだったが、ライブ配信ならではの良さも感じたそうだ。「ライブ配信で『コロナが収まったらJALで旅行に行きたい』などのコメントをいただき、オンラインならではのつながりを感じました。配信も磨き上げて、今後の軸にしていきたいですね」(同)と、ステージとは違った形で演奏を楽しんでくれる人たちとのコミュニケーションを取っていきたいと意気込む。
10月に結成された今年のメンバーは、12月のリハーサルも含めて10回の練習で本番に臨む。緊急事態宣言が解除されたことから、JALによると昨年は見送ったステージ演奏も可能性を探っていきたいという。
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