日本航空(JAL/JL、9201)は10月21日、大阪府の「空飛ぶクルマの実現に向けた実証実験」プロジェクトに採択されたと発表した。JALは2025年に開かれる大阪・関西万博を視野に、2025年度に「空飛ぶクルマ」と呼ばれるeVTOL(電動垂直離着陸)機を使ったエアタクシー事業のスタートを目指しており、会場と関西空港を結ぶエアタクシーサービスや遊覧飛行を計画している。
府のプロジェクトに採択されたことから、JALは環境調査を大阪で11月から2022年2月まで実施。空飛ぶクルマの実運用を想定し、11月に万博会場の夢洲上空をヘリコプターで飛行して、飛行環境や地上設備の制約などを調べる。調査結果を基に、さまざまな機体が共存できる運航環境の構築につなげる。
年明けの2月にはJALが出資する独Volocopter(ボロコプター)とともに、ヘリコプターによる大阪上空の飛行風景と、空飛ぶクルマの機内風景を組み合わせたバーチャルフライトを全国の自治体関係者などに体験してもらう。VolocopterはeVTOL「VoloCity」を開発中で、JALは2019年に設立したスタートアップ企業に投資するCVC(コーポレート・ベンチャーキャピタルファンド)の「Japan Airlines Innovation Fund」を通じ、同社に出資している。
Volocopterによると、早ければ2023年に公開試験飛行を実施したいという。
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【お知らせ】
見出しを一部変更しました。(21年10月22日 00:21 JST)