全日本空輸(ANA/NH)のエアバスA380型機「FLYING HONU(フライング・ホヌ)」のうち、最後の受領となった3号機(登録記号JA383A)が現地時間10月15日午後6時10分(日本時間16日午前1時10分)、エアバスの工場がある仏トゥールーズを離陸した。NH9398便として成田空港へ向かっており、午後1時ごろ到着する見通し。
*成田到着の記事はこちら。
3号機は2020年1月24日に、エアバスの塗装工場がある独ハンブルクでお披露目された。当初は同年4月に受領予定で、6月からは週14往復の成田-ホノルル線全便をA380による運航に切り替える計画だった。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で受領が半年延期となり、エアバス側の書類上は10月30日付で納入と記録されたものの、機体メーカーから見れば引き渡し済み、航空会社から見ると受領待ちという状態が続いていた。
ANAの領収検査は今月13日に行われ、同日受領した。検査を担当したANAの整備センター 品質保証室 機体品質管理部 航空機委託管理チームの水石宣行マネジャーは、「保存整備が行われていたので、飛行機が完全な状態になっているか機体全体を検査した」と話した。水石マネジャーは3週間前からトゥールーズに滞在し、3人体制で検査したという。
ANAを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は、A380を3機発注。成田-ホノルル線の専用機材で、2019年5月24日に就航した。座席数は4クラス520席で、ファーストクラスが8席、ビジネスクラスが56席、プレミアムエコノミーが73席、エコノミーが383席となっており、3号機も同じ仕様となる。
全機にハワイの空と海、夕陽をイメージした特別塗装を施しており、初号機(JA381A)が青(ANAブルー)、2号機(JA382A)が深緑(エメラルドグリーン)、3号機がオレンジ(サンセットオレンジ)と1機ごとに色が異なる。機首の表情も、正面を見る初号機、ほほ笑む2号機、まつげを描いた3号機と違いがある。
エアバスはA380の製造をすでに終了しており、11月に最後の3機がエミレーツ航空(UAE/EK)へ引き渡され、納入開始から14年で完納となる。ANAの3号機は、A380最大のオペレーターであるエミレーツ向け以外では最後の引き渡しとなり、同社塗装以外のA380が顧客に引き渡されてトゥールーズを離陸するのも最後になった。
*離陸の動画はこちら。
*写真は8枚。
3号機就航
・ANAのA380、オレンジ3号機就航 日本到着から2年、3機出そろう(23年10月20日)
・ANAのA380、成田に3機並ぶ オレンジ3号機、今晩就航(23年10月20日)
成田に到着
・非中東系最後のA380 写真特集・ANA A380オレンジ3号機成田到着(21年11月7日)
・ANAのA380、まつげのあるオレンジ3号機が成田到着 就航は未定(21年10月16日)
トゥールーズ離陸の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・ANA A380 3号機トゥールーズ離陸【JA383A】
ANAの3号機
・ANAのA380 3号機、10月に成田へ 半年ぶりに試験飛行(21年9月28日)
・ANA、A380の3号機受領へ 10月内納入も日本飛来は未定(20年10月22日)
・エアバス、ANAにA380最終号機 今年最多の72機納入、10月実績(20年11月9日)
・ANA、オレンジのA380お披露目 空飛ぶウミガメ3号機、ハンブルクでロールアウト(20年1月24日)
ロールアウトの動画
1本目 ANA A380 3号機がハンブルクでロールアウト サンセットオレンジのJA383A
2本目 エアバス塗装工場でロールアウト待つANA A380 3号機 サンセットオレンジ JA383A
写真特集・ANA A380 3号機ロールアウト
前編 まつげのある3号機、足場もオレンジになった塗装工場
後編 非中東系ラストはサンセットオレンジ
成田から新千歳や那覇へチャーター
・空飛ぶウミガメ、沖縄へ 写真特集・ANA A380那覇初飛来(21年9月26日)
・初の新千歳夜間駐機も ANAのA380、発着異なる初チャーター終える(21年9月20日)
写真特集・ANA A380 FLYING HONUの機内
(1)個室ファーストクラスでプライバシー確保(19年5月21日)
(2)ペアシートもあるビジネスクラス(19年5月22日)
(3)2階後方にゆったりプレエコ(19年5月23日)
(4)カウチシートもあるエコノミー(19年5月24日)