ボーイング787型機に新たな製造上の問題が発生していると、米ウォール・ストリート・ジャーナルが現地時間10月14日に報じた。ボーイングによると、787で使われているチタン製部品の一部が不適切に製造されているとメーカーから連絡があったという。ボーイングは本紙の取材に対し、運航中の機体に対して直ちに安全上の問題はないと回答した。FAA(米国連邦航空局)も同社の判断を了承している。
ウォール・ストリート・ジャーナルは関係者の証言として、過去3年間に製造された787に使われたチタン製部品に、本来の強度に満たないものがあると報じた。
この問題を受け、ボーイングのサプライヤーの1社である伊レオナルドは現地時間14日、同社の協力会社でボーイングの認定サプライヤーである伊MPS(Manufacturing Processes Specification S.r.l.)との取引を打ち切ったと発表した。レオナルドは「787の部品問題はMPSに問題があり、MPSは検察当局の監視下にある。レオナルドは被害者であり、この問題に関する潜在的な費用を負担することない」とコメントしている。MPSのウェブサイトは15日現在、閲覧できない状態が続いている。
納入待ちの787に対し、ボーイングは必要な対策を航空会社などへの引き渡し前に講じていると説明。このところ787の製造工程にさまざまな問題が見つかっていることから、品質改善に取り組んでるという。「問題が提起されるということは、これらの取り組みが功を奏しているということだ」と、今回のチタン部品問題の発覚も一連の取り組みの成果だと述べた。
日本国内で787を運航する全日本空輸(ANA/NH)と日本航空(JAL/JL、9201)によると、現時点でボーイングからはこの問題に対する追加の整備作業などの要請はないという。
ANAには、同社の787では初めて米GE製エンジンを採用した機体(787-9、登録記号JA936A)が、10月13日夜に羽田空港へ到着。国土交通省の航空機登録によると9月13日に受領した。ANAによると「チタン素材に関わる修理箇所があったと聞いているが、報道内容と直接関係しているかは把握していない」という。
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ボーイング・ジャパン
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