日本航空(JAL/JL、9201)は10月6日、ハイブリッド社債(劣後特約付社債)の発行額が1500億円に決定したと発表した。総額3000億円規模となる資金調達の一環で、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響長期化に備えるとともに、2023年度以降のエアバスA350-1000型機導入や国内線のレベニューマネジメントシステム刷新などの成長投資、有利子負債の返済資金などに充てる。
3000億円規模の資金調達は9月10日に発表したもので、劣後ローンが最大2000億円、今回条件が決まった劣後債は1000億円規模としていた。劣後債の当初利率は1.6%で、2028年10月12日までは固定利率、翌日からは変動利率になる。払込期日は10月12日で、償還期限は37年後の2058年10月11日。期限前償還は7年後から可能になる。
格付機関によるる資本性評価は、格付投資情報センターが「クラス3、資本性50」、日本格付研究所が「中、50%」。取得格付は格付投資情報センターがBBB、日本格付研究所がBBB+となった。
主幹事はみずほ証券と三菱UFJモルガン・スタンレー証券、大和証券、BofA証券、SMBC日興証券の5社が務める。
JALは2020年11月に公募増資で約1800億円を調達しており、株主価値を希薄化させずに資金を調達する手段として、劣後ローンと劣後債を選択した。
関連リンク
日本航空
・JAL、劣後ローンなどで3000億円調達 A350-1000導入やコロナ長期化対応(21年9月10日)
・JAL、破綻教訓に貨物機導入せず 菊山専務「ボラティリティ高い」(21年8月3日)
・JALの次世代旗艦A350-1000、客室はどう進化するのか(21年5月9日)
・JAL、A350-1000は計画通り23年度就航 ZIPAIRも新造機受領へ(21年5月7日)