エアバス, エアライン, 機体 — 2021年9月23日 12:31 JST

ラタム航空、A320の降下最適化でCO2削減 200機以上改修

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 エアバスは現地時間9月22日、LATAM(ラタム)航空グループ傘下のラタム航空(LAN/LA)が運航するA320ファミリーのFMS(フライトマネージメントシステム)を、DPO(降下プロファイル最適化)機能を搭載したものにアップグレードすると発表した。対象は200機以上で、降下中の燃料消費量を削減する。納入開始は2021年末から2022年初頭になる見通し。導入後は対象機全体で年間6万トンのCO2(二酸化炭素)を削減できるという。

ラタム航空のA320neo=PHOTO: A. Doumenjou, master films/Airbus

 DPO機能は、航空機が巡航高度から下降する際、エンジンのアイドル推力のみで下降することを可能にするもの。これにより燃料消費量が削減され、CO2やNOx(窒素酸化物)の排出量も比例して削減されるという。DPO機能は燃料削減効果を高めるために降下開始時期を早めることなく、効率的な巡航高度での飛行時間を最大化。その後、最終着陸進入前にエンジンの推力を発生させ、降下時の非効率な「レベルオフ」段階での飛行時間を最小化するとしている。

 航空機の飛行経路の最適化は、管制官とともに効率をさらに高めるための重要な要素の一つと位置づけており、ラタム航空はDPO機能により航空機の降下ルートを最適化し、降下時にもっとも低いアイドル推力設定からエンジンへの燃料供給量を削減することで、リマやサンティアゴ、サンパウロなど制約のある空港を含む路線網全体で、航空機1機あたり年間100トン以上の燃料削減を実現するという。1機あたり年間300トン以上のCO2排出量が削減され、ラタム航空のA320ファミリー全機で年間6万トンのCO2を削減できるとしている。

 DPO機能は、エアバスとフライトオペレーションサービス子会社のナブリューが提供する。

 ラタムはチリのラン航空(LAN/LA)とブラジルのTAM航空(TAM/JJ)による新ブランドで、2016年5月から展開。両社は2012年7月に提携し、統合の一環として新ブランド名「ラタム(LATAM)」を2015年8月に発表した。

DPOによるA320neoのCO2削減効果(エアバス提供)

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LATAM Airlines
Descent Profile Optimisation (DPO)
Airbus

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