エアライン, 官公庁 — 2021年9月17日 20:28 JST

ソラシド、CAの身代わり飲酒検査で再発防止策 相互確認から第三者立ち会いに

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 ソラシドエア(SNJ/6J)は9月17日、同社の客室乗務員が乗務前のアルコール検査を別の客室乗務員に身代わりで受けさせ、国土交通省から厳重注意を受けた事に対する再発防止策を同省へ提出した。従来は客室乗務員同士で実施していたアルコール検査を、第三者が立ち会う体制に変更した。

客室乗務員による身代わりアルコール検査の再発防止策を国交省に提出したソラシドエア=PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 再発防止策は検査体制の変更に加え、自宅などでの自主検査の義務化、アルコール検査の確認を担当する専従要員の追加配置、社長や安全統括管理者による全社員向け対話、客室乗務員向けのコンプライアンスやアルコールに関する教育などを実施していく。

 アルコール検査は、羽田空港内のオフィスでは専従要員が立ち会い、地方空港では客室乗務員が検査の様子をリアルタイムで動画撮影し、羽田の専従要員が確認するようにした。

 再発防止策の提出とともに、身代わり検査を実施した客室乗務員などを社内規定に基づいて処分したと17日に発表したが、詳細については個人情報などを理由に回答を控えた。

 身代わり検査は、2020年10月26日(事案1)と今年3月25日(事案2)の計2回発生。いずれも客室の責任者を務める先任客室乗務員Aが不正を指示していた。ソラシドによると、内部告発で発覚し、会社側が調べたところ先任客室乗務員Aら3人による不正が明らかになり、監督する国交省航空局(JCAB)に報告した。

 事案1は、2020年10月26日の那覇午後4時発の中部行き6J70便(ボーイング737-800型機、1クラス174席、登録記号JA805X)で発生。先任客室乗務員Aが乗務前のアルコール検査時に、自身の身代わりとして客室乗務員Bに検査を受けさせ、Aはアルコール検査を受けずに乗務した。同便には乗客132人が乗っていた。

 事案2は、今年3月25日の那覇午前9時5分発の鹿児島行き6J84便(737-800、1クラス174席、JA813X)で発生。事案1で先任客室乗務員Aの身代わりになった客室乗務員Bが乗務前のアルコール検査を受ける際、一緒に乗務するAが同乗する客室乗務員Cに対し、Bの身代わりになるよう指示した。このため、Bはアルコール検査を受けずに乗務した。同便には乗客149人が乗っていた。

 事案2ではアルコール検査が未実施だっただけでなく、6J84便に乗務していた4人の客室乗務員のうち、先任客室乗務員A、客室乗務員BとCの3人が、乗務開始7時間前まで会食で飲酒していた。ソラシドの運航規程では乗務開始8時間以内の飲酒を禁じており、3人はこれに違反している。

【事案1】
2020年10月26日発生
・先任客室乗務員Aがアルコール検査の際、客室乗務員Bを身代わりにした
・先任客室乗務員Aは、乗務前のアルコール検査を未実施で那覇発中部行き6J70便に乗務した

【事案2】
2021年3月25日発生
・客室乗務員B(事案1と同人物)がアルコール検査の際、先任客室乗務員A(事案1と同人物)の指示で客室乗務員Cを身代わりにした
・客室乗務員Bは、乗務前のアルコール検査を未実施で那覇発鹿児島行き6J84便に乗務した
・6J84便に乗務した先任客室乗務員A、客室乗務員BとCの3人は、飛行勤務開始7時間前まで飲酒していた

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