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羽田空港第2ターミナル地下1階に、土産物などを販売する無人決済店舗「ANA FESTA GO」が8月27日にオープンした。全日本空輸（ANA/NH）グループの店舗で、無人決済システムはJR東日本スタートアップ（東京・港区）などが出資するTOUCH TO GO（TTG、東京・港区）が開発したものを採用している。オープン前日の報道公開日に、無人決済を体験するためANAのビーフカレーを買ってみた。
無人決済システムを導入した羽田空港内の「ANA FESTA GO」。店内の撮影は終えていたので、この写真を撮ってからビーフカレーを買うため再度入店した＝21年8月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
—記事の概要—
・18台のAIカメラと棚のセンサー
・読み取り機が並ぶセルフレジ
・慣れれば1分以内に買い物終了？
18台のAIカメラと棚のセンサー
ANA FESTA GOの店内では、18台設置したAIカメラや棚のセンサーを使い、来店者が手にした商品をリアルタイムに自動認識。商品を手にセルフレジの前に立つと、タッチパネル式の画面に商品と購入金額が表示され、支払いを済ませると店を出られる。
無人決済システムを導入したANAの羽田空港内の店舗「ANA FESTA GO」。店員が無配置である以外に既存店と外観上の大差はない＝21年8月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
開店前日の26日、報道関係者向けに店内が公開された。地下1階北側の既存店舗をリニューアルしたもので、これまでは羽田からの出発客をターゲットにした品揃えだったが、およそ半分にあたる約41.95平方メートルを無人のANA FESTA GO、残り半分は全国の土産物がそろう有人店舗「ANA FESTA 羽田B1 フロアギフト店」に改装した。
ANA FESTA GOの店内には、羽田空港内の土産物店「ANA FESTA（ANAフェスタ）」で売上ランキング上位の商品を中心に、洋菓子や和菓子、ANAオリジナルのカレーなど約100種類の土産物を用意。私も無人店舗での買い物を体験するため、我が家のストックが切れていたANAのビーフカレー（1個税込594円）を2個買うことにした。
ビーフカレーが並ぶANAの羽田空港内の無人店舗「ANA FESTA GO」＝21年8月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
読み取り機が並ぶセルフレジ
ビーフカレーを持ってセルフレジに行くと、画面には「お支払い」と「ANAマイレージクラブの方」というボタンが表示される。ANAのマイル制度「ANAマイレージクラブ（AMC）」会員の場合、画面上の「ANAマイレージクラブの方」を押して支払い前に「お客様番号」と呼ばれる会員番号をひも付けると、100円（税抜き）につきANAのマイルが1マイル付与される。
無人店舗「ANA FESTA GO」のセルフレジ。モニター下左側の白いエリアのリーダー類がAMC会員番号の登録用、右側青いエリアのリーダーが決済用とレシートのプリンターだ＝21年8月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
会員番号のひも付けは、ANAのクレジットカード「ANAカード」をレジにあるICカードリーダー（読み取り機）にかざしたり、画面で会員番号を入力すると完了し、決済画面に進む。決済にANAカードを使った場合、さらに200円につき1マイルが上乗せされる。交通系ICカードなどで決済しても、ANAカードを提示していれば、1回の支払いが1000円以上で5％の割引が適用される。
私は今回、ビーフカレーを2個持ってセルフレジに立ち、会員番号のひも付けにはANAカードを使った。画面操作に迷うことはなかったが、レジには会員番号の登録に使うQRコードリーダーやICカードリーダーなどが、決済用カードリーダーとは別に並んでおり、会員番号のひも付けにどのリーダーを使えばよいのかが、すぐにはわからなかった。
よく見ると、会員番号の読み取りに使うリーダー類はレジの白いエリア、決済用カードリーダーは青いエリアに置かれており、一度使えばさほど戸惑わないだろう。
支払いが完了した無人店舗「ANA FESTA GO」のセルフレジ＝21年8月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
慣れれば1分以内に買い物終了？
店内で買い物時に戸惑ったのはこの時だけで、買いたい物を棚から手に取り、セルフレジで決済すればゲートが開き、店外に出られる。海外のスーパーにあるセルフレジのように、品物を一つひとつ自分でレジに通す必要もない。店内にいたのは1分30秒弱だったので、使い慣れれば1分もかからずに買い物を終えられそうだ。
無人決済システムを導入したANAの羽田空港内の店舗「ANA FESTA GO」＝21年8月26日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire
今回失敗したのは、会員番号のひも付けにANAカードを使ったものの、普段スーパーやコンビニのセルフレジを利用時の習慣で、決済でiPhoneに登録している交通系ICカードを使ってしまった点だ。取材の合間に撮影漏れがないかを気にしながら買い物をしたため、セルフレジで無意識にiPhoneを使っていた。決済額は1129円だったので、ANAカードで決済していれば5マイルが付与されていた。普段はマイルをためることを深く考えずに生活しているのでマイルは惜しくないが、無意識に妥当性のない判断を下した自分には納得がいかない。
今後技術が進歩すれば、セルフレジでの会員番号のひも付けや決済もせず、自動的に処理されて店を出られるようになるだろう。これから労働人口が徐々に減る中、店舗内で機械に任せられる分野は任せ、人がやるべき仕事に注力していく上で、今回の無人店舗のオープンは一歩踏み出したと言える。
関連リンク
ANA FESTA
全日本空輸
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