航空機の整備や販売などを手掛ける米C&L Aviation Group(C&Lアビエーション・グループ)傘下のC&L Aerospace(C&Lエアロスペース)は現地時間8月16日、サーブ340B型機を貨物機に改修したと発表した。340Bのうち「B+」と呼ばれる機種を貨物機に改修したのは世界初だという。2022年までにあと5機改修する。
今回の改修は、スウェーデンのTAM(Täby Air Maintenance’s)が提供するEASA(欧州航空安全庁)とFAA(米国連邦航空局)の認証を取得したコンバージョンキットを使用し、メイン州にあるC&LのMRO施設で実施。最大貨物容積は1280立方フィート(約36.2立方メートル)、最大積載量は9325ポンド(約4.2トン)だという。
340B+は340Bのうち、MSN(シリアルナンバー)が340B-360から340B-459までの機体。C&Lによると取得コストが安価なため、貨物機に適しているという。
日本の航空会社では、日本航空(JAL/JL、9201)グループで鹿児島空港を拠点とする日本エアコミューター(JAC/JC)と、札幌・丘珠空港が拠点の北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)が、退役したサーブ340Bを同社へ売却したり、今後引き渡しを予定している。
C&Lは、現在6機の340Bを米国籍機として登録。元JAC機はN355CL(元JA8703、340B-355)、N361CL(元JA8704、340B-361)、N399CL(JA8594、340B-399)、N419CL(元JA001C、340B-419)、N459CL(元JA002C、340B-459)の5機、元HAC機はN458CL(元JA03HC、340B-458)となっている。C&Lが公開している改修作業を収めた動画では、元JACのN361CLが登場する。
HACからは全3機を取得する契約を結んでおり、退役後はJA01HCとJA02HCも受領する見込み。
C&Lは8月4日に、6機の340Bをフロリダ州レイクランドのレジェンド・エアウェイズへ売却すると発表しており、すべて貨物機に改修して引き渡す。同社は米国やカナダ、メキシコなどで運航している。
関連リンク
C&L Aviation Group
TAM
日本エアコミューター
北海道エアシステム
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