客室乗務員など運航に携わる日本航空(JAL/JL、9201)の社員が、2020年4月から新制服を着用して1年が過ぎた。同年夏に開催予定で、1年遅れとなる7月23日に開幕し8月8日に閉会した東京オリンピックや、8月24日開幕予定のパラリンピックを視野に入れ、2013年6月以来のリニューアルとなった。
11代目となった客室乗務員の制服は、女性用はワンピースに加えてパンツスタイルを初採用。これまでの10代目制服の良さを継承しつつ、動きやすさや快適性を向上しながら、新しいデザインを取り入れた。客室乗務員と地上係員の新制服は、ファッションブランド「EZUMi」のデザイナーで、クリエイティブディレクターの江角泰俊さんがデザインした。
一方、機材は制服に先立つ2019年からエアバスA350-900型機やボーイング787-8型機を国内線に投入。同年9月1日就航のA350が、新しい客室デザインコンセプトの第1弾となった。これに続く787-8の国内線仕様機は、2019年冬ダイヤ初日の同年10月27日に就航した。767-300ER(3クラス252席)が置き換えの主な対象で、JALが国内線仕様の787を投入するのは初めて。
座席数は3クラス291席でE21仕様と呼ばれ、ファーストクラスが6席、クラスJが58席、普通席が227席。シートの基本仕様は、A350のものを踏襲し、ファーストが2-2-2席配列の1列6席、クラスJが2-3-2席配列の1列7席、普通席が3-3-3席配列の1列9席となった。
客室は「日本の伝統美」を表現したデザインを採用し、前方左側2番目「L2ドア」付近にはJALの鶴丸ロゴを掲げた。ファーストクラスは、黒を基調とした配色に加え、前方壁面の造形により、6席だけの特別な空間を演出する。クラスJと普通席は、JALのコーポレートカラーである赤を使いつつ、着席時は落ち着いた雰囲気を感じられるようにした。照明には、LEDライトが使われている。
全クラス全席に電源コンセントと充電用USB端子、個人用画面を備え、機内インターネット接続「JAL Wi-Fiサービス」を無料で提供。A350と同様、出発して地上走行を開始してから、着陸後に駐機場へ到着するまで利用できる。映画などのビデオコンテンツは、途中で視聴を中断しても次回搭乗時に続きを楽しめるようにした。
エンジンは国際線仕様機と同じ米GE製GEnx-1Bを選定。推力は国際線用の7万ポンドに対し、国内線用は6万4000ポンドに落としている。
新制服着用開始となった2020年は、11代目制服を着て働く客室乗務員の姿を目にする機会がほとんどなかった。そこで、787やA350といった主要機材の機内で新制服がどのように見えるかを、写真特集で取り上げる。
5回目は787-8の国内線仕様となるE21仕様機。今回で本写真特集は最終回となる。
*写真は19枚(2枚は10代目制服)。
国内線ファーストクラス
クラスJ
普通席
関連リンク
日本航空
写真特集・JAL 11代目CA新制服と主要機材
(1)国内線の新主力機 A350-900編
(2)長距離国際線飛ぶフラッグシップ 777-300ER編
(3)プレエコなくした国際線中型機 787-8 E12編
(4)足もと立体交差のビジネスクラス 787-9 E91編
写真特集・JAL新制服着用開始
・11代目でパンツスタイル初採用
写真特集・JAL 787国内線仕様機
(1)1便6席のファーストクラス(19年10月22日)
(2)クラスJも個人用モニター・電源完備(19年10月29日)
(3)普通席も全席モニターと電源完備(19年11月3日)
(4)ギャレー配置工夫で座席数最大化(19年11月24日)
機内の動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・JAL 787-8 国内線仕様 JA846J お披露目
JAL 787-8国内線仕様機
・JAL、787国内線仕様機が就航 羽田-伊丹線、12月から福岡も(19年10月27日)
・JAL、787初の国内線仕様公開 27日から羽田-伊丹線(19年10月16日)
・JAL初の787国内線仕様機、羽田に到着 27日就航(19年10月9日)
・JAL、787国内線仕様は10月就航 既存機もUSB設置、中期計画ローリングプラン(19年2月26日)
・JAL、国内線に787-8初導入 19年から羽田-伊丹、4機追加発注(17年9月21日)