LCCのピーチ・アビエーション(APJ/MM)は7月1日、新千歳空港で航空貨物の搭載を始めた。取り扱い初便の那覇行きMM271/NH9615便(エアバスA320型機、登録記号JA812P)には、葉物野菜や夕張メロンなど北海道産の生鮮品約0.6トンが積み込まれた。
ピーチは、同じくANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下の全日本空輸(ANA/NH)と貨物事業会社ANAカーゴ(ANA Cargo)による航空貨物のコードシェア(共同運航)を2020年11月から実施。新千歳は国内6空港目の出発地となった。ピーチが運航する旅客便の床下貨物スペースをANAカーゴがフォワーダー(利用運送事業者)に販売し、コードシェア便としてANA便名を付与している。
ピーチのA320は貨物コンテナの搭載に対応していないため、積み荷を機側まで貨物コンテナで運び、作業者が個別に貨物室へ運ぶ「ばら積み」となっている。
A320には最大2トンの貨物を積めるが、ピーチ便は到着から出発までの時間が短いといった制約もあり、当初は搭載量を最大0.8トンに抑えた。その後、搭降載作業を検証し、搭載量を拡大しても遅延につながらないとして、現在は上限を緩和。路線を限定して最大1.5トンまで搭載している。また、乗客の受託手荷物は機体後部の貨物スペース、ANAカーゴの積荷は前方貨物室への搭載を基本としている。
ピーチの事業戦略室・貨物事業担当の山内直樹部長によると、航空貨物事業は堅調に推移しており、需要の高まりに応じて新千歳での搭載を始めたという。同社ではこれまでも福岡と関西、中部の3空港発の札幌(新千歳)行きで貨物のコードシェアを実施し、旅客便に貨物を積んで1日1便ずつ運航していたが、新千歳発は3路線とも「保税転送」と呼ばれるものを除いて搭載していなかった。
今回、新千歳での積み込みが始まったことで、出発地は福岡、関西、中部、成田、那覇の6空港となった。また、貨物取扱便は6月末までは1日最大22便だったが、7月からは1日最大28便まで拡大した。
今後について山内氏は「航空貨物事業の拡大を予定しており、他空港への展開も検討している」と述べた。
新千歳発那覇行きの貨物搭載初便であるMM271/NH9615は乗客94人(幼児1人含む)に加えて貨物約0.6トンを積み、午前11時06分に出発した。
*写真は8枚(運航スケジュールは写真下に掲載)。
運航スケジュール(10月31日まで)
新千歳→関西(毎日)
MM110/NH9606 新千歳(13:45)→関西(16:00)
MM112/NH9608 新千歳(15:50)→関西(18:05)
MM114/NH9610 新千歳(18:30)→関西(20:45)
新千歳→成田(毎日)
MM582/NH9612 新千歳(17:30)→成田(19:05)
新千歳→那覇(月・火・木・金・土)
MM271/NH9615 新千歳(11:10)→那覇(14:55)
新千歳→福岡(毎日)
MM456/NH9600 新千歳(14:20)→福岡(16:50)
関連リンク
ピーチ・アビエーション
全日本空輸
ANAカーゴ
・ピーチ、ANAの貨物扱い開始 初便は福岡から那覇へ(20年11月1日)