残り2機となったANAウイングス(AKX/EH)が運航するボーイング737-700型機のうち、1機(登録記号JA05AN)が6月20日、中部発羽田行きNH86便を最後に退役した。残る1機(JA06AN)は27日の岡山発羽田行きNH654便がラストフライトとなり、2005年の就航から16年で全機が姿を消す。
JA05ANによるNH86便は、乗客109人(幼児1人含む)を乗せて中部の9番スポット(駐機場)を午前7時5分(定刻午前7時)に出発しRWY36から離陸。羽田のA滑走路(RWY34L)へ午前8時25分に着陸し、午前8時32分(同8時40分)に56番スポットへ到着した。20日の東京は朝から小雨がぱらつく天気だったが、第2ターミナルの展望デッキには航空ファンの姿がみられた。
通常、NH86便は展望デッキから見えない53番スポットに入ることが多いが、ラストフライトは機体が見えるスポットへ到着し、最後のファンサービスとなったようだ。
737-700の座席数は2クラス120席(プレミアムクラス8席、普通席112席)。持株会社化前の全日本空輸(ANA/NH)が2003年6月に18機発注し、2005年11月から導入を開始した。JA05ANは2006年6月に引き渡された機体で、15年間活躍した。残り2機となったJA05ANとJA06ANには、機首両サイドには退役記念デカールが貼り付けられている。
最終日27日の運航予定は、JA06ANによる岡山行きNH651便が羽田を午前7時25分に出発し、午前8時40分着。最終便のNH654便は、岡山を午前9時25分に出発して、午前10時45分に羽田へ到着する見込み。
ANAが運航していた737-700のうち、ANAホールディングス(ANAHD、9202)が出資するエア・ドゥ(ADO/HD)へ約半数にあたる8機が現在もリースされており、JA07AN-09AN、11AN-12AN、14AN-16ANが運航を続けている。同社では当面これらの737-700を運航する見込み。
また、18機のうち2機は航続距離延長型の737-700ERで、世界初導入だった。「ANA BusinessJet(ANAビジネスジェット)」と命名され、座席数は最初に導入したJA10ANが2クラス48席(ビジネス24席、エコノミー24席)、2機目のJA13ANは世界でも珍しい全席ビジネスクラス(38席)で、成田-ムンバイ線などの国際線を飛んでいたが、2016年3月に2機とも退役。2007年3月の就航からわずか9年で退役と、20年は飛ぶ旅客機の中では短命で、就航16年で姿を消す737-700の中でも、10年未満で退役したのはこの2機だけだった。
*写真は8枚。
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全日本空輸
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