ボーイングは現地時間6月18日(日本時間19日)、737MAXファミリーでは胴体長が最長となる737-10(737 MAX 10、N27751)が初飛行に成功したと発表した。2023年の就航を目指す。
初飛行は、18日午前10時7分(日本時間19日午前2時7分)にワシントン州のレントン市営空港を離陸。約2時間飛行し、午後0時38分にシアトルのボーイング・フィールド(キング郡国際空港)に着陸した。テストパイロットらが、飛行制御とシステムなどをテストした。
737-10は、2017年6月に開かれたパリ航空ショーでローンチ。737-9の胴体を66インチ(約1.7メートル)延長して、定員増加によりドアを追加し、翼や圧力隔壁なども改良している。2019年11月22日にレントン工場でロールアウト(完成披露)し、初飛行は当初2020年を計画していた。
小型機737の発展型である737 MAXファミリーのうち、737-10は胴体長がもっとも長い。737 MAXの標準型は737-800の後継となる2016年1月に初飛行した737-8(1クラス189席)で、もっとも胴体が短い機体で737-700の後継機737-7(同172席)、従来型では胴体がもっとも長かった737-900の後継機737-9(同220席)があり、737-10(同230席)は5機種目となる。
737 MAXのエンジンは、CFMインターナショナル製の新型エンジン「LEAP-1B」のみ。翼端には新型ウイングレット「アドバンスト・テクノロジー・ウイングレット」を備え、客室内装はLED照明や大型の手荷物収納棚など、787と同等のものを取り入れた「ボーイング・スカイ・インテリア」を採用している。
従来の737NG(次世代737)と比べて、737-10はCO2(二酸化炭素)排出量を14%削減し、騒音も50%軽減するとしている。
二度の墜落事故を起こした737 MAXは、昨年11月にFAA(米国連邦航空局)が引き渡し再開を承認し、航空会社などの顧客へ85機以上納入。21の航空会社が運航を再開したものの、今年4月に電気系統の問題が製造時に起きた可能性があるとして、ボーイングが航空会社に運航を一時停止するよう勧告し、5月中旬から納入を再開した。
ボーイングは昨年の運航再開と前後し、737 MAX 8に関する報道発表では型式を示す「737-8」表記を使い始めたが、機体のシリーズを示す「ファミリー」やブランドとしては「737 MAX」を引き続き使用。その後、737 MAX 9を737-9、737 MAX 10を737-10と表記を改めている。報道発表で「737 MAX」表記を最小限に抑える一方、ウェブサイトでは「737 MAX 8」など従来の機種名で紹介しており、表記が統一されていない。
関連リンク
Boeing
ボーイング・ジャパン
737 MAX 10
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再開後の不具合
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