エアライン, 解説・コラム — 2021年6月18日 10:54 JST

JAL、CAから企画職へ”社内転職” 7月まで募集

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 日本航空(JAL/JL、9201)は6月17日、乗務歴5年以上の客室乗務員を対象に、業務企画職(総合職)に転向する人事制度を設けた。人数は若干名で7月16日まで募集し、10月1日から新たな職場で働くことになる。一度転向すると、客室乗務員には戻れない“社内転職”となる。

客室乗務員が業務企画職へ転向する人事制度を設けたJAL=21年4月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

マスクとゴーグル、手袋を着用して機内サービスするJALの客室乗務員=21年3月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

 対象の客室乗務員は乗務歴5年以上で、雇用延長の人は除く。応募する場合、上司に職種を変更する意思表示をした後、中途採用と同じくリポートやSPI、プレゼンテーション、面接による選考を受ける。

 業務企画職の仕事は、営業や空港業務、運航管理、路線企画、経理・財務、法務、施設企画など多岐にわたり、客室乗務員の業務と直接関係のない領域に配属される可能性がある。本社や国内外の支店などに勤務するため、転居を伴う転勤がある。今回の制度では、企画職へ職種を変更後は客室乗務員に戻れない。

 JALが客室乗務員から業務企画職へ異動し、復帰を前提としない人事制度を導入するのは初めて。現在も機内食を担当する部署など、地上で働く客室乗務員がいるが、いずれも乗務に復帰する時期が定められており、地上勤務中は半年に一度乗務して資格を維持している。

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で運航便数が大幅に減った後、JALは客室乗務員がゆかりのある地域へ移住し、地域活性化に取り組む「ふるさとアンバサダー」制度を2020年8月に発足。今年3月からは、約1000人の客室乗務員が全国で観光資源の発掘などに携わる「ふるさと応援隊」を立ち上げたり、客室乗務員がマナーやサービスの講師を務める「JALビジネスキャリアサポート」を4月に始めているが、いずれも現役の客室乗務員として乗務を続けながら新たな仕事をしている。

 過去の人事制度では、企画職と客室乗務員両方の業務を受け持つ「総合職客室系」が2005年入社まであった。現在の業務企画職事務系にあたる「総合職事務系」の異動先に、客室乗務員の業務を加えたもので、両方の職種を行き来する制度だった。

 JALの赤坂祐二社長は、昨年9月のAviation Wireによる単独インタビューで「新型コロナ前からやりたかったことが、マルチタスク化。客室の仕事だけではもったいない。社員の二刀流を目指したい」と、客室乗務員が乗務以外でも活躍できる場を整えることに意欲を示していた。

 「(入社から定年まで)客室乗務員ができるかというと、(結婚や子育てなどで)そうはいかないケースも出てくる。活躍の場を作っていく必要がある」(赤坂社長)として、新型コロナの影響による一過性のものではなく、長期的に社員が複数の職域に対応できる制度作りを進めている。

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