米オクラホマ州のアルタス空軍基地は現地時間6月10日、空中給油・輸送機KC-46A「ペガサス」を年内にも導入する航空自衛隊第405飛行隊の隊員12人が、同基地で訓練を受けたことを明らかにした。
アルタス基地では、隊長の上口哲司2佐をはじめ405飛行隊のパイロット6人とブームオペレーター6人の計12人が、3カ月間にわたり米空軍の隊員がKC-46の資格を得る際と同じ訓練を受けた。座学後にシミュレーターを使った訓練が行われ、最後の段階では8回のフライトと第56空中給油隊の教官による審査を受け、訓練を終えた。
上口2佐は「言葉の壁があっても教官たちは私たちの話に耳を傾け、すべてを説明しようと最善を尽くしてくれました」とコメントした。
KC-46Aは、民間旅客機のボーイング767-200ER型機を母機とした空中給油・輸送機。ボーイングは米空軍向けに179機の製造を計画している。空自は6機を調達する予定で、これまでに4機を発注しており、鳥取県の美保基地へ配備される見込み。
コックピットは民間機の787と同様に15インチ・ディスプレイを装備し、米空軍向けのエンジンは米プラット・アンド・ホイットニー製PW4062で、最大離陸重量は41万5000ポンド、搭載燃料は21万2299ポンド。空中給油のほか、輸送機として人員や物資、負傷者を運べる。
給油対象は空自機のほか、米空軍と海軍、海兵隊の航空機。給油方式は、米空軍機が採用するフライングブーム方式のほか、米海軍・海兵隊機のプローブ・アンド・ドローグ方式の2形式に対応している。ブームはフライ・バイ・ワイヤ方式の最新型で、給油オペレーター席には24インチの高解像度3Dディスプレイが設置された。また、前部胴体上部には自らブーム方式で給油を受けられる給油口を備える。
地上旋回半径は39メートルで、標準的な幅45メートルの滑走路で180度旋回が可能。ボーイングでは、離島のように小規模な飛行場にも展開できるとしている。
第405飛行隊は2020年12月発足。初号機納入は今月を予定していたが、コロナ影響による試験の遅れなどから、年内の引き渡しになるとみられる。
関連リンク
KC-46A Pegasus(Boeing)
U.S. Air Force
防衛省
航空自衛隊
KC-46ペガサス(ボーイング・ジャパン)
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