エアライン, ボーイング, 官公庁, 機体 — 2021年6月11日 14:33 JST

政府専用機、照明に不具合 20分遅れで現地着

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 6月10日夜、菅義偉首相を乗せて英国へ向かう予定だった政府専用機B-777の任務機(機体番号80-1112)で機内照明に不具合が発生し、予備機(80-1111)に機材を変えて約1時間20分遅れで羽田空港を出発した。G7サミット(主要7カ国首脳会議)が開かれる英国南西部のコーンウォールには、予定より約20分ほど遅れて現地時間11日午前0時(日本時間同日午前8時)ごろ到着した。

羽田空港を出発する政府専用機80-1111=21年6月10日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

 防衛省によると、羽田空港で出発準備をしていた任務機の機内照明に、午後5時ごろ不具合が見つかったという。午後7時に出発予定だったが、菅首相が乗り込む前に搭乗していた政府関係者や同行記者団は隣に駐機していた予備機に乗り換え、搭載していた荷物も積み換えて午後8時20分ごろ出発した。首相らを乗せる「任務運航」は、政府専用機を2機1組で運用しているが、10日は菅首相らを乗せた予備機のみ出発した。

 2機あるB-777は、民間機のボーイング777-300ER型機を改修した機体で、2019年4月から運用開始。1993年に初の任務運航に就いた先代のB-747-400は747-400をベースとした機体で、整備や教育の委託先は日本航空(JAL/JL、9201)だったが、B-777は全日本空輸(ANA/NH)の親会社であるANAホールディングス(ANAHD、9202)が受託している。一方、パイロットや民間機の客室乗務員にあたる空中輸送員などの職種は、空自千歳基地の特別航空輸送隊に所属する隊員が担っている。

 防衛省によると、不具合が発生した機体は飛行への影響はないものの、ANAで整備しており、作業完了後に英国へ向かう予定だという。2019年4月にB-777を運用開始後、予備機に交代した事例は2件あった。

 定刻出発を厳守する任務運航で、大幅な遅延は異例。先代のB-747-400では、少なくとも退役前5年間に羽田空港を遅れて出発するトラブルは起きていなかった。

羽田空港で機体に不具合が発生した政府専用機80-1112から降りる報道関係者=21年6月10日 PHOTO: Yoshikazu TSUNO/Aviation Wire

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