ソニーグループ(6758)は6月10日、業務用ドローン「Airpeak S1(エアピークS1)」を9月に発売すると発表した。α1など同社製フルサイズミラーレスデジタルカメラ「α(アルファ)」シリーズを搭載できるドローンでは、世界最小クラスを実現したという。空撮映像制作を主な用途として想定しており、障害物検知や自動飛行、機体や飛行情報のクラウド管理に対応する。価格はオープンで、市場予想価格は税込み110万円前後。
大きさは高さ約526.8mm、幅591.9mm、奥行き511.8mmで、プロペラを除いた体格寸法は約644.6mm、バッテリーパックを除いた機体重量は約3.1kg。最大積載可能質量は約2.5kg、最大離陸質量は約7.0kgで、ペイロードなしの最大速度は25m/s(90km/h)、最大上昇速度は7m/s、最大下降速度は4m/sとなり、耐風性能は20m/s、最大離陸重量時の運用限界高度は2500mとなる。
最大飛行時間はペイロードなしで約22分、α7SIIIに24mm/f1.4の純正レンズを装着した状態で約12分。無線の最大伝送距離は見通しがよい状態で2kmとなる。カメラやレンズ、フードなどの総重量は約1.1kgまでを推奨している。
機体には、ソニー製イメージセンサーを内蔵したステレオカメラを機体の前後左右下の5方向に配置し、カメラの情報を高速同時処理できるソニー製ビジョンセンシングプロセッサーと独自アルゴリズムを搭載。これらの視界情報とIMU(Inertial Measurement Unit)、コンパス、気圧、赤外線測距などのセンサー情報を統合し、自己位置や姿勢を高精度に推定して周囲の空間をリアルタイムに認識するという。これらの技術により、屋内や橋の下などGNSS(衛星測位システム)を受信しにくい環境でも安定した飛行を実現する。
推進装置は、軽量で高効率、高強度、高応答性のある独自開発の17インチプロペラやブラシレスモーターを採用し、センサー情報を統合して安定飛行と高い応答性を実現する独自の飛行制御システムを構築した。
送信機のほか、機体と機材を一元管理できるモバイルアプリ「Airpeak Flight」を用意。搭載したデジタルカメラの映像をリアルタイムに認識しながら機体やカメラ、ジンバルを操作できる。
また、機材管理や飛行プランの作成、フライトログ管理が可能なWebアプリ「Airpeak Base」では、映像制作向けの飛行プランも作成可能。タイムラインに沿って機体の緯度や経度、高度、速度を設定し、ジンバルの向きや動画・静止画撮影のタイミングを指定できる。地図上で滑らかな曲線を描くこともできるという。
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