全日本空輸(ANA)と日本航空(JAL、9201)が、6月1日にボーイング787型機による定期便の運航を再開し、1カ月が過ぎた。両社合わせて2200便以上が運航されたが、ともにバッテリーに関するトラブルはなかった。
ANAは30日までで1844便、JALは359便を運航。遅延や欠航は1カ月間にANAが13件、JALでは8件発生したが、今回4カ月半の運航停止となった要因であるバッテリーに関するものは1件もなく、制御システムなど他機種でも不具合が発生している部位によるものだった。
ANAでは6月1日の運航再開初日、羽田発鹿児島行き619便の客室前方で、機体内外の気圧差による異音が発生。客室内の気圧に異常はなく、飛行に影響ないとの判断から運航を継続し、予定どおり到着したが、確認に時間がかかったため、折り返し便は約1時間40分遅れた。遅延時間を見ると、サンノゼ発羽田行きが6月30日に26時間遅れで出発するなど、海外で不具合が発生した場合は、運航再開まで1日前後かかるケースがあった。
JALでは6月2日の羽田発北京行きの機材で、出発前の飛行間点検で補助動力装置(APU)用バッテリーの格納容器内外の圧力差を示す計器が作動。バッテリー自体に不具合はなかったが、ボーイング社の作業ミスが原因で起きた。8件の内訳は、767への機種変更が1件、離陸後の引き返しが1件、出発ゲートへの地上引き返しが3件で、このほかに2時間以上の出発遅延が3件発生した。
ANAによると、787導入20カ月目となった6月の定時出発率は98%台後半で、同じく導入20カ月目の777の98%台半ばや、767の97%台後半といった値と比べると、他機種に劣らない運航実績だとしている。
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