ANAホールディングス(ANAHD、9202)傘下のANAウイングス(AKX/EH)が運航しているボーイング737-700型機が、6月27日の岡山発羽田行きNH654便を最後に退役する。2005年の就航から16年で姿を消すことになり、導入した18機の中で最後まで残った2機のどちらかが最終便に投入される。
737-700は、持株会社化する前の全日本空輸(ANA/NH)が2003年6月に18機発注。2005年11月から導入を開始し、2008年4月に完納となった。初号機(登録記号JA01AN)と2号機は金色塗装の「ゴールドジェット」で、中部空港(セントレア)を拠点とし運航していたことから、名古屋城の「金鯱」にちなんで金色となった。
座席数は2クラス120席(プレミアムクラス8席、普通席112席)。2006年1月からは国際線にも投入し、国内線と国際線の兼用機として運航してきた。退役済みの初号機はANAHDが出資するエア・ドゥ(ADO/HD)へリースされた際に1クラス144席仕様となり、返却後も退役までこの仕様のまま運航していた。737-700を運航するANAウイングスは、グループで地方路線を担っている。
18機のうち2機は航続距離延長型の737-700ERで、世界初導入。「ANA BusinessJet(ANAビジネスジェット)」と命名され、座席数は最初に導入したJA10ANが2クラス48席(ビジネス24席、エコノミー24席)、2機目のJA13ANは世界でも珍しい全席ビジネスクラス(38席)で、成田-ムンバイ線などの国際線を飛んでいたが、2016年3月に2機とも退役。2007年3月の就航から9年で退役と、20年は飛ぶ旅客機の中では短命だった。
全機退役する今年度まで運航を続けたのは3機で、5月18日に2号機(JA02AN)が羽田からアンカレッジ経由でカリフォルニア州ヴィクターヴィルのサザン・カリフォルニア・ロジスティクス空港へ向かった。残り2機となったJA05ANとJA06ANには、機首両サイドには退役記念デカールが貼り付けられ、デザインにはゴールドジェットにちなんだ金色のリボンを取り入れている。退役を前に、中部空港で記念チャーターフライトを19日に実施する。
最終日の27日は、岡山行きNH651便が羽田を午前7時25分に出発し、午前8時40分着。最終便のNH654便は、岡山を午前9時25分に出発して、午前10時45分に羽田へ到着する。
6月9日時点の運航実績
JA05AN
NH651 羽田(07:25/07:25)→岡山(08:40/08:40)
NH654 岡山(09:25/09:22)→羽田(10:45/10:38)
NH563 羽田(11:25/11:25)→高知(12:50/12:47)
NH566 高知(13:35/13:28)→羽田(14:55/14:52)
NH567 羽田(16:00/15:54)→高知(17:20/17:14)
NH570 高知(18:05/17:54)→羽田(19:30/19:12)
JA06AN
NH747 羽田(08:55/08:49)→能登(09:50/09:47)
NH748 能登(10:30/10:22)→羽田(11:35/11:30)
NH1893 羽田(12:15/12:14)→八丈島(13:10/13:05)
NH1894 八丈島(14:00/13:49)→羽田(14:55/14:41)
NH297 羽田(16:40/16:40)→鳥取(17:55/17:54)
NH300 鳥取(18:40/18:34)→羽田(20:05/19:49)
関連リンク
全日本空輸
デカール貼付や2号機離日
・ANAの737-700、元ゴールドジェット2号機が売却先へ 6月で全機退役(21年5月18日)
・ANA、退役デカール貼った737-700運航開始 リボンはゴールド(21年5月11日)
・ANA、737-700に退役記念デカール貼付 最後の2機に(21年5月11日)
機材計画
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・ANA、機材を8%削減 22年度末は最大280機(21年5月2日)
世界初の737-700ER
・9年で退役、もう一つの“ANAビジネスジェット”737-700ER(21年4月10日)
特集・さよならANAビジネスジェット
前編 40席の贅沢仕様737-700ER(16年3月30日)
後編 窓付きトイレの贅沢仕様737-700ER(16年4月8日)
エア・ドゥ時代のJA01AN
・「すてきなたびを」写真特集・エア・ドゥ新塗装737-700(12年11月3日)