川崎重工業(7012)の最新中型双発ヘリコプター「H145//BK117 D-3」が、国土交通省航空局(JCAB)の型式証明をこのほど取得した。安全性が証明されたことで、日本で飛行できるようになった。
D-3は、既存機BK117 D-2の改良型でフルフラットフロアを備えたキャビン、後部の観音開きカーゴドア、高高度でのホバリング性能の向上、低騒音化、最新アビオニクス搭載といった特長を継承。最新式の5枚ブレードによるメインローター・システムの採用などにより、D-2と比べて有効搭載重量が約150kg増え、整備期間を約50%短縮した。
定員は標準10人、最大12人で、航続距離は722キロ。自動操縦装置やGPS地図表示装置、HTAWS(地形認識警報装置)などを装備している。D-3はこれまでに警察庁やミネベアミツミ(6479)のタイ法人、朝日航洋、中日新聞などが発注済み。
ベースとなるBK117は、川重と旧西ドイツのMBB(メッサーシュミット・ベルコウ・ブローム、現エアバス・ヘリコプターズ・ドイツ)が共同開発し、1982年に国産ヘリとして初の型式証明を取得。1983年に初号機を納入した。
関連リンク
BK117-D3型の紹介(川重)
川崎重工業
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