機体 — 2021年5月22日 13:04 JST

ATR、STOL型ATR42-600S製造開始へ 800m滑走路でも離陸可

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 仏のターボプロップ(プロペラ)機メーカーATRは、ATR42-600型機の改良型で短い滑走路で離着陸できる「ATR42-600S」の設計を終えた。サプライヤーは部品の製造を始められるようになった。

*ATR42-600Sと日本市場の解説記事はこちら

ATR42-600Sのイメージイラスト(ATR提供)

 ATR42-600Sは、800-1000メートルの短い滑走路で離着陸できるATR42-600のSTOL(短距離離着陸)型。座席数1クラス30-50席の市場をターゲットにしており、日本でも離島路線を持つ航空会社などに売り込んでいく。

 2017年6月に開発発表し、2019年10月にローンチ。エンジンの改良で離陸推力が増加し、フラップ25度での離陸により離陸揚力も増えた。ラダー改修による横方向制御の向上、スポイラーを使用した揚力制御、自動ブレーキを組み合わせることで、STOL性を実現した。800メートル級の滑走路を離着陸する場合、既存のATR42-600では乗客数を約半分の22人に抑えなければならないが、ATR42-600Sであれば、定員48人を乗せて運航できるという。

 設計審査が完了したことで、ATRの協力会社やサプライヤーはコンポーネントやツールの調達、部品の製造を開始出来るようになった。現地時間5月12日の発表によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、開発スケジュールを今年3月に再調整したという。

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