ロールス・ロイス(RR)は、ビジネスジェット向けエンジン「Pearl(パール)」の第3弾となるPearl 10Xを現地時間5月6日に発表した。ダッソー・アビエーションが同日発表した双発ビジネスジェット機Falcon 10X(ファルコン10X)向け。
RRはこれまでもビジネスジェット向けにエンジンを供給してきたが、ダッソーのビジネスジェットに採用されるのは初めて。Falcon 10Xはダッソーの最上位機で、客室の高さを約2メートルとリージョナルジェット並みにし、航続距離は7500海里(約1万3890キロ)でニューヨーク-上海間をノンストップで飛行でき、2025年末の就航を目指す。
Pearl 10Xは、Advance2エンジンコアを採用。高性能低圧システムと組み合わせることで、1万8000ポンド以上の推力を実現する。前世代のビジネスジェット用エンジンと比べて効率が5%高く、低騒音・低排出ガス化を実現している。また、燃焼器タイルは3Dプリントで、高度な積層造形法によって製造されるという。
エンジンの開発は、独ダーレヴィッツにあるRRのビジネス・アビエーション・エンジン・センター・オブ・エクセレンスで実施。現在はSAF(持続可能な航空燃料)を100%利用した運用む包括的な試験が進められている。
PearlシリーズはPearl 10Xのほか、ボンバルディアGlobal5500/6500向けのPearl 15、ガルフストリームG700向けのPearl 700がある。
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