退役記念デカールを機首付近に貼った全日本空輸(ANA/NH)のボーイング737-700型機が、5月11日から運航を開始した。6月に全機が退役することを記念したもので、現在残っている2機(登録記号JA05AN、JA06AN)にデカールを貼る。JA05ANは10日夜に作業を終え、JA06ANも12日夜に貼り付ける予定になっている。
737-700は、持株会社化する前のANAが2003年6月に18機発注。2005年11月から導入を開始し、2008年4月に完納となった。初号機(JA01AN)と2号機(JA02AN)は金色塗装の「ゴールドジェット」で、中部空港(セントレア)を拠点に運航していたことから、名古屋城の「金鯱」にちなんで金色となった。今回のデカールも、ゴールドジェットにちなんだ金色のリボンをデザインに取り入れている。
座席数は2クラス120席(プレミアムクラス8席、普通席112席)。機体はANAなどを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)が保有しており、ANAとグループの地方路線を担うANAウイングス(AKX/EH)が共同で運航している。
また、18機のうち2機は航続距離延長型の737-700ERで、世界初導入となった。「ANA BusinessJet(ANAビジネスジェット)」と命名され、座席数は最初に導入したJA10ANが2クラス48席(ビジネス24席、エコノミー24席)、2機目のJA13ANは世界でも珍しい全席ビジネスクラス(38席)で、成田-ムンバイ線などの国際線を飛んでいたが、2機とも2016年3月に就航から9年で退役している。
10日のJA05ANは、羽田を午前7時29分に出発した八丈島行きNH1891便を皮切りに、折り返しの八丈島発羽田行きNH1892便、羽田-高松線(NH535/536)、羽田-鳥取線(NH297/300)の3路線6便に投入。鳥取発NH300便は定刻の午後8時5分よりも早く羽田へ到着する見通し。もう1機のJA06ANは、13日からデカールが貼り付けられた状態で運航する見通し。
*写真は7枚。
*貼付作業の記事はこちら。
11日の運航実績(定刻/実績)
NH1891 羽田(07:30/07:29)→八丈島(08:25/08:22)
NH1892 八丈島(09:00/08:53)→羽田(09:55/09:40)
NH535 羽田(11:25/11:22)→高松(12:45/12:47)
NH536 高松(13:35/13:33)→羽田(14:55/14:48)
NH297 羽田(16:40/16:40)→鳥取(17:55/17:54)
NH300 鳥取(18:40/18:30)→羽田(20:05/19:34予定)
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