NEC(日本電気、6701)は4月20日、那覇空港の税関検査場に同社の顔認証技術を活用した電子申告ゲートが導入されたと発表した。国際線旅客が入国する際、税関での申告や通関手続きにかかる時間の短縮や混雑緩和を目指すもので、那覇は国内7空港目となる。
税関検査場の電子申告ゲートは、すでに羽田空港と成田空港、新千歳空港、中部空港、関西空港、福岡空港の6空港で2020年7月から稼働。那覇は4月に導入された。いずれもNECの顔認証技術を使い、電子申告端末と検査場の出口に設置されたゲートで本人確認を実施する。
電子申告端末で、パスポートとアプリで作成したQRコードを読み取らせると、「携帯品・別送品申告書」の提出が完了。検査場出口のゲート通過時に必要な顔認証用の写真を撮影し、ゲートは顔認証で通過できる。税関では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)対策の一環として電子申告を推奨している。
NECは、顔認証技術を国際線の搭乗手続きなどに活用。4月からは成田と羽田で顔認証による国際線の搭乗手続きが始まった。顔認証技術を使った搭乗手続きは、航空会社などが加盟するIATA(国際航空運送協会)が推進する旅客搭乗手続きの自動化プロジェクト「Fast Travel(ファストトラベル)」のひとつで、「OneID(ワンアイディー)」と呼ばれている。成田空港を運営する成田国際空港会社(NAA)は、顔パスで搭乗できることが利用者に伝わるよう、OneIDに「Face Express」と愛称を付けている。
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