全日本空輸(ANA/NH)のパリ発羽田行きNH216便(ボーイング787-8型機、登録記号JA814A)が現地時間4月19日、露シベリアの中心都市ノヴォシビルスクに緊急着陸した。ANAによると、パイロットが運航中に体調不良になったためで、詳細は確認中だという。現地では当局による情報として、パイロットが脳卒中の発作を起こした可能性があると報じられている。
今回のNH216便は旅客機で貨物のみ運ぶ貨物専用便で、乗客は乗っておらず、パイロット3人と当該便の乗務ではない客室乗務員5人のみ乗っていた。パリを現地時間18日午後9時17分に出発し、ノヴォシビルスクには19日午前10時12分に到着した。
予定では、羽田へ19日午後2時50分に到着予定だったが、現時点でノヴォシビルスクを20日午前8時15分に出発し、羽田には20日午後4時25分に到着する見通し。救援便は運航せず、当該機と乗員で羽田まで運航する。
国土交通省航空局(JCAB)は19日、重大インシデントに認定した。JCABによると、パイロットがモスクワから東へ約1800キロ飛行した地点で、一時的に気を失ったとの報告がANAから入ったという。
ANAでは、今月4日に羽田発フランクフルト行きNH203便(787-9、JA872A)がロシア上空を飛行中、コックピット内に左側エンジンオイルの油量や圧力の低下を示す表示が出たため、シベリア中部のクラスノヤルスク空港へ到着地を変更して着陸。機材を変更して再出発した。
関連リンク
全日本空輸
・ANAのフランクフルト行きNH203便、シベリアに臨時着陸 エンジンオイル異常表示(21年4月4日)
【お知らせ】
国交省が重大インシデントに認定したため、4段落目を加筆しました。(21年4月19日 22:54 JST)