福岡空港を運営する福岡国際空港会社(FIAC)は4月19日、国内線と国際線の旅客ターミナルビルを結ぶ連絡バスに導入する連節バスを報道関係者に公開した。20日から運行する。従来の大型バスと比べて約2倍の乗客を運ぶことができ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が終息した後の旅客需要回復を見据えた環境を整える。
2019年の国際線利用者は約640万人で、地下鉄の駅などがある国内線ターミナルと国際線ターミナルを結ぶ連絡バスは混雑が常態化。ピーク時には、連絡バスに乗客が乗りきれない状態にもなっていた。
従来の大型バスは定員75人だったのに対し、20日から運行するメルセデス・ベンツの連節バス「シターロG」は定員が142人に増え、約2倍の乗客を一度に運べる。車内はバリアフリーに対応したノンステップ仕様で、前方は客席をなくしてスーツケースなど大きな荷物を置きやすくし、立席で乗車するエリアを広くした。このため座席数は後方29席となる。全長は18メートルで、大型バスから7メートル伸びた。
外観は国内外100路線就航を目指すFIACのメッセージ「FLY 100 DREAMS.」を表わすレインボーカラーのラッピングを施し、グラデーションの部分も含めると100色近い色を用いた。FIACが定めるオリジナルのレインボーカラーは100色を使用しており、ラッピングも100色だという。
現在の大型バスは7台で、5台を常時運行して2台を予備車としている。連接バスは5台導入し、運行は従来の大型バスと同様に西鉄(西日本鉄道、9031)に委託する。連節バス導入後も、大型バス1台を予備車として運用する。西鉄ではすでに13台の連接バスを福岡市内、7台を北九州市内の路線バスに投入しており、福岡市内の13台のうち2台は予備車としているという。
運賃は無料で、所要時間は片道約10-15分。運行便数は従来と同水準で、国内線発が1日83便、国際線発は79便を計画している。
空港で連接バスを導入している事例では、関西空港が第1と第2ターミナルを結ぶ連絡バスに、福岡と同じ車種を2017年に導入し、南海バスが運行している。
関連リンク
福岡空港
福岡国際空港株式会社
・福岡空港、滑走路見えるラウンジ開業(21年1月28日)
・南海バス、関空で100人乗れる連節バス公開 定員2倍、値段は倍以上(17年4月21日)
【お知らせ】
西鉄が北九州で運行している連接バスの正確な台数などが判明したため、内容を一部更新しました。(21年4月20日 09:28 JST)