日本航空(JAL/JL、9201)グループで沖縄を拠点とする日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)は夏ダイヤ初日の3月28日、中部-石垣線を9年ぶりに再開した。1日1往復で、季節便としてゴールデンウイークと夏季繁忙期を中心に運航する。初便は日本一早咲きのサクラである沖縄北部やんばる地域の「カンヒザクラ」とさくら色のジンベエザメを描いた特別塗装機「さくらジンベエ」(ボーイング737-800型機、登録番号JA06RK)が投入された。
運航スケジュールは、石垣行きNU171便が中部を午前8時30分に出発して、午前11時35分着。中部行きNU172便は午後0時15分に出発し、午後2時40分に到着する。機材はボーイング737-800型機(2クラス165席:クラスJ 20席、普通席145席)を使用する。
運航期間は、3月28日から4月4日までと、ゴールデンウイークの4月29日から5月5日まで、夏季繁忙期を中心とする7月1日から10月30日まで。
JTAの中部-石垣線は2009年2月1日に就航し、2012年3月24日の運航を最後に運休。9年ぶりの再開となった。
JTAの青木紀将社長は就航式典で「石垣のきれいな海、世界遺産候補地の西表島などがある。機内に乗った時から沖縄を感じていただける」とピーアールした。JTAでは、客室乗務員が機内アナウンスであいさつに沖縄各地の方言を用いているほか、機内安全ビデオで沖縄が発祥と言われる空手のアニメを使ったり、ヘッドレストカバーに沖縄伝統の「紅型(びんがた)」作品を採り入れるなど、沖縄の雰囲気を演出している。
ゴールデンウイークなど緊急事態宣言解除後の需要見通しについて、JALの五百旗頭(いほきべ)義高・中部地区支配人は「沖縄や札幌から予約が埋まっていくだろう。沖縄の離島への需要は、石垣はダイビング、宮古はゴルフが人気だ」と述べた。JTAの青木社長は、「コロナ後は予約が至近で入ってくる傾向だ」と述べ、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)収束後については「石垣や宮古はまだ欧米では知られてない」と述べ、沖縄離島での滞在型ツーリズムをJALグループ全体で海外にも提案していきたいという。
初日となった28日の石垣行きNU171便は、乗客164人(幼児なし)と乗員6人(パイロット2人、客室乗務員4人)を乗せて中部を午前8時32分に出発した。
石垣線の再開初便となったことから、さくら色のジンベエザメと日本一早咲きのカンヒザクラを描いた特別塗装機「さくらジンベエ」を投入。NU171便の隣のスポット(駐機場)には、青色の「ジンベエジェット」(737-800、JA05RK)が並んだ。
また、JTAは28日に中部-宮古線を1日1往復で開設し、石垣線と同じく季節運航する(関連記事)。JALグループが同路線を運航するのは初めて。羽田発着の沖縄離島路線については、便名をJTA便の「NU」からJAL便の「JL」に28日から統一。JALとの共同引受の開始によるもので、便名のみ変更してJTAの機材と乗員による運航は継続する。共同引受により、需要増加による機材大型化が可能になり、夏休みなどの繁忙期にはJALのボーイング767-300型機を投入する(関連記事)。
*写真は12枚。
運航スケジュール
NU171 中部(08:00)→石垣(11:35)
NU172 石垣(12:15)→中部(14:40)
関連リンク
日本トランスオーシャン航空
日本航空
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