日本航空(JAL/JL、9201)は3月26日、最新鋭大型機エアバスA350-900型機を伊丹-那覇線に就航させた。JALのA350が羽田発着便以外に就航するのは初めてで、ファーストクラスを羽田便以外で初導入する。当初はファーストクラスの座席をクラスJとして販売し、機内サービスの準備ができ次第始める。
伊丹-那覇線は現在1日2往復で、当面は2往復ともA350で運航を予定している。運航スケジュールは、那覇行きJL2081便は伊丹を午前8時50分に出発して、午前11時10分に着く。伊丹行きJL2084便は午後0時10分に那覇を出発し、午後2時に到着する。2往復目となる那覇行きJL2087便は伊丹を午後2時55分に出発して、午後5時5分に着く。伊丹行きJL2088便は午後6時5分に那覇を出発し、午後8時に到着する。
A350の座席数は3クラス369席(ファースト12席、クラスJ 94席、普通席263席)だが、当面はファーストクラスをクラスJとして販売。ファーストクラスは準備が整い次第サービスを提供する。
全クラス全席に電源コンセントと充電用USB端子、個人用画面を備え、機内インターネット接続「JAL Wi-Fiサービス」を無料で提供。出発して地上走行を開始してから、着陸後に駐機場へ到着するまで利用できる。映画などのビデオコンテンツは、途中で視聴を中断しても次回搭乗時に続きを楽しめるようにした。
伊丹へのA350による到着初便となった那覇発JL2084便は、乗客275人(幼児2人含む)を乗せて午後2時10分に18番スポット(駐機場)へ到着。空港の消防車による放水アーチで出迎えられた。伊丹発初便の那覇行きJL2087便は乗客322人(幼児8人含む)を乗せ、午後3時9分に出発した。
伊丹で開かれた就航式典で、JALの武井真剛西日本地区支配人は、「機内でより快適な時間を過ごしていただくことに加え、環境への配慮により伊丹へ就航する」と述べた。空港を運営する関西エアポートで伊丹空港本部長を務める北山博常務は、「伊丹は市街地の空港なので、少しでも騒音を和らげたい。JALさんにもご協力いただき、A350が就航することになった」と語り、「放水アーチはワクワクする」と話した。
那覇空港から操縦を担当したJAL運航訓練部A350訓練室の良原勝益機長は関西出身。「かっこいいと言っていただけるが、非常に静か。軽いのでエンジンの回転数を下げて飛ぶことができる」と、A350の優れている点を説明した。
JALはボーイング777型機の後継機として、A350 XWBを選定。2019年9月1日に就航した標準型のA350-900は主に国内線用777-200の、2023年度以降に導入を計画する長胴型のA350-1000は長距離国際線用777-300ERの後継となる。これまでにJALはA350-900を8機受領済みで、2021年度は7機の受領を予定しており、年度内に15機がそろう見込み。
*写真は18枚。
初日の運航スケジュールと実績
JL2084 那覇(12:10/12:19)→伊丹(14:00/14:10)
AL2087 伊丹(14:55/15:09)→那覇(17:05/17:13)
伊丹初飛来
・JALのA350、伊丹初飛来 搭乗橋など確認(21年3月11日)
・JAL A350、伊丹でフィットチェック終え羽田へ(21年3月12日)
A350と新制服
・写真特集・JAL 11代目CA新制服と主要機材(1)A350-900編
4K動画(YouTube Aviation Wireチャンネル)
・【4K】JAL A350伊丹初の離陸
フィットチェック使用機は首里城再建応援デカール機
・JALのA350、那覇へ就航 首里城再建応援デカール5号機(20年2月1日)
写真特集・JAL A350-900
(1)ファーストクラスはゆとりある個室風
(2)クラスJは新レッグレストで座り心地向上
(3)普通席も全席モニター完備
(4)大型モニター並ぶコックピットや落ち着いたラバトリー