日本航空(JAL/JL、9201)グループで沖縄を拠点とする日本トランスオーシャン航空(JTA/NU)は3月20日、「世界自然遺産」特別デザイン機(ボーイング737-800型機、登録記号JA11RK)を那覇空港で公開した。今回で2回目となった沖縄県による世界自然遺産普及啓発事業の一環で開催された小中学生対象図画コンクールで入選した作品が、機体に大きくデザインされた。JTAで機体全体をデカールで覆った機体は、今回が初めて。
機体全体を長さ約25メートル、幅約3.8メートルのデカールでおおった。片側50枚ずつのデカールを、7日間かけて貼り合わせた。2019年8月31日から2020年9月14日まで運航したコンクール1回目の特別デザイン機は、デカールが機体後部の左右のみだったが、今回はJTA初となる機体全体を覆う形になった。
沖縄県は、今夏の世界自然遺産登録を目指している。鹿児島県の奄美大島と徳之島、沖縄島北部と西表島の4地域を推薦候補地としており、登録されると日本では5カ所目の世界自然遺産になる。図画コンクールは沖縄県主催で、沖縄側の推薦地域である国頭村と大宜味村、東村、竹富町の小中学生を対象に開かれた。
20日に那覇空港内の格納庫で開かれた図画コンクールの表彰式で、やんばる地区は大宜味村立大宜味小学校3年の大湾光さんに、西表地区は竹富町立上原小学校6年の下山心夏さんに、それぞれ沖縄県知事賞が贈られた。
同時に開かれた機体のお披露目式で、JTAの青木紀将社長は「登録がゴールではなく、維持することが大事。環境保全も取り組みたい」と述べた。
JTAでは、世界自然遺産登録の推薦地域上空を飛ぶ環境学習遊覧飛行を14日に実施。「沖縄の魅力は、地元だとなかなか気づかないもの。違った視点で子供たちに見てもらいたかった」(青木社長)と狙いを語った。県外への情報発信については、JALグループ全体で取り組み、グローバルに発信していきたいという。
特別デザイン機の初便は、21日の那覇発宮古行きNU551便を予定。同じくJALグループで、沖縄の離島路線を担う琉球エアーコミューター(RAC)も、特別デザイン機(ボンバルディアDHC-8-Q400CC型機、JA85RC)を用意しており、一足早く20日の那覇発宮古行きRAC801便が初便となった。RAC機はスペースの関係で、前方左側ドア付近にデカールを貼った。
運航期間はいずれも約1年間を予定している。
*写真は13枚(提供写真除く)。
関連リンク
沖縄県
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琉球エアーコミューター
日本航空
・JTAとRAC、世界自然遺産登録に向け特別デザイン機お披露目(19年9月1日)
・奄美の世界遺産登録めざせ JALとJAC、ドコモが共同体発足(19年8月28日)