機体, 需要, 需要予測 — 2021年3月19日 14:00 JST

ATR、航空需要は回復初期段階 貨物型やSTOL型拡販

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 仏のターボプロップ(プロペラ)機メーカーATRは、2021年以降の事業再生計画を現地時間3月17日に発表した。機体の運航効率向上や整備費用削減につながる改善を図るほか、貨物機の販売促進、経年機の機材更新需要などを取り込む。

貨物機のATR72-600F(同社Twitterから)

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響があったものの、ATRは2020年に10機を引き渡し、6機の受注を獲得。2020年に新たにATR機の運航を開始した航空会社は9社、84路線が新設されたという。日本では、日本航空(JAL/JL、9201)グループで札幌の丘珠空港を拠点とする北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)が、22年ぶりの新機材としてATR42-600(1クラス48席)を4月12日に就航させた。

 12月には、航空貨物会社フェデックス・エクスプレス(FDX/FX)に、ATR初の貨物機ATR72-600Fを初納入。70席クラスの旅客機ATR72-600をベースにした貨物機で、フェデックスは2017年11月に30機を確定発注しており、20機をオプション(仮発注)としている。ATRによると、航空貨物は今後20年間で輸送量が倍増すると予想され、ATRは地域間のエクスプレス貨物の輸送などに適するとして、販売拡大を狙う。

 また、ATR42-600型機の改良型で、800-1000メートルの短い滑走路で離着陸できるSTOL(短距離離着陸)型「ATR42-600S」の開発を進める。

 経年機の置き換えは、約900機の更新需要が見込まれるという。

 ATRは現在の航空需要について「回復の初期段階」と表現。同社ののステファノ・ボルテリCEO(最高経営責任者)は、新型コロナウイルスの影響について、「今年の終わりまでに改善を期待することは難しいだろう。しかし、地域の空の移動が果たす役割として、欧州と北米ではATR機がより魅力的なものになった。アジア太平洋地域や南米、アフリカのように、地上インフラが実用的ではない地域では、ターボプロップ機は依然として最良の選択肢になっている」とコメントした。

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