日本航空(JAL/JL、9201)グループでグラハン業務を担うJALグランドサービス(JGS)は3月9日、羽田空港で使うすべてのステップ車に抗ウイルス・抗菌コーティング作業を実施した。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する不安がある中、乗客に安心して利用してもらうため、手すりなどにコーティング剤を噴霧した。
ステップ車は、PBB(搭乗橋)がない駐機場で乗客が乗り降りする際に使う車両。JALは羽田空港のチェックインカウンターを抗ウイルス・抗菌剤「エコキメラ SRW-30」を使って2020年9月にコーティングしており、今回も同じものをステップ車の手すりなど、乗客が触れる部分にJGSのスタッフが散布した。
文化財の保存などを手掛け、今回使用したコーティング材を扱う清華堂(大阪市)によると、皮膜に触れた新型コロナウイルスや細菌などを不活性化させる働きが期待でき、一度噴霧すると3年から5年程度効果が持続するという。また、SIAA(一般社団法人抗菌製品技術協議会)の認証を取得している。
羽田には28台のステップ車があり、9日はJGSのスタッフが2班に分かれ、コーティング作業を1日ですべて終わらせた。JGSによると、作業対象となる車両は全国で100台弱あり、8日は成田空港の車両17台に実施したという。
今後は12日に伊丹空港、15日に新千歳空港、18日に福岡空港で、チェックインカウンターやステップ車などに対する作業を実施予定。那覇空港は1月に実施済みで、月内に国内主要空港の作業を終える。その他の空港についても、2021年度内に作業を終える見通し。
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