エアバス, エアライン, 機体, 空港 — 2021年3月5日 18:35 JST

ピーチ、黄色いバニラエア塗装機就航　初便は関空から奄美へ

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　ピーチ・アビエーション（APJ/MM）は3月5日、統合した旧バニラエアの黄色い塗装をまとった特別塗装機（エアバスA320型機、登録記号JA08VA）を就航させた。バニラがLCCとして初就航した奄美大島をイメージしたデザインを機体に施したことから、初便は関西発奄美行きMM205便を選んだ。全路線に投入し、今後はバニラの拠点だった成田にも“里帰り”する。

関空でバニラ塗装をまとったA320 JA08VAを見送るピーチの森CEO（右）ら＝21年3月5日 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　バニラは2019年11月に、同じくANAホールディングス（ANAHD、9202）傘下のLCCであるピーチと統合。ピーチはバニラが保有していた15機のA320のうち、12機をピーチ仕様への改修対象にした。

　5日に特別塗装機として再就航したJA08VAは、2015年2月に引き渡されたバニラの新造8号機だった機体。マレーシアのクアラルンプールとフランスのトゥールーズで、エアバス系整備会社による改修が行われ、客室やコックピットなどをピーチ仕様に改めたものの、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の影響で塗装は日本で行うことになり、バニラ塗装のまま関西空港へ戻ることになった。

機体改修を終えてバニラ塗装のまま関空に戻ってきたピーチのJA08VA（左）と改修を終えた元バニラのJA12VA（ピーチ提供）

成田に到着直後のJA08VA＝15年2月 PHOTO: Tadayuki YOSHIKAWA/Aviation Wire

　関空へは2020年12月11日夜に到着。ピーチの森健明CEO（最高経営責任者）は、「（同社のSNSなどで機体を見て）このまま飛ばすことはできないのか、という声が多く寄せれた」と、5日の初便就航前に語り、当面そのまま飛ばすことにしたという。

　関空へ到着した時点で、胴体前方にあったバニラのロゴは消されていたが、垂直尾翼は黄色のバニラ塗装のままだった。この状態を基に、元バニラのピーチ社員が機体のデザインを考え、左側にアマミノクロウサギや大島紬（つむぎ）など奄美大島をイメージしたイラスト、後方は左右ともバニラのデザインを残し、前方右側はピーチの通常デザインを踏襲した。バニラがLCCでは初めて奄美路線を開設したことから、奄美をモチーフにしたデザインになった。

　5日の関西発奄美行きMM205便は、乗客64人（幼児ゼロ）を乗せて午前11時54分に関空を出発した。統合前のバニラが関空へ就航していた際は、全日本空輸（ANA/NH）などと同じ第1ターミナルへ乗り入れており、LCC専用の第2ターミナルにバニラ塗装の機体による商業運航便が姿を表わすのは初めてだった。

＊写真は22枚＋提供写真1枚の計23枚。