20年7カ月にわたり北海道と羽田空港を結んだエア・ドゥ(ADO/HD)のボーイング767-300ER型機の2号機(登録記号JA01HD)が2月27日、札幌(新千歳)発羽田行きHD12便の運航をもって退役した。今年度内に退役する2機の767のうち1機で、もう1機の初号機(JA98AD)は1月に退役して売却先の米国へ渡っている。
JA01HDは2000年7月10日就航。ベルギーのシティバードが運航していた機体(OO-CTQ)を中古で導入し、767が2機体制となった。座席数は1クラス289席で、エア・ドゥの767の中では座席数がもっとも多く、唯一の289席仕様だった。JA01HDが就航するまでの約1年半、同社はJA98ADのみで運航していた。
商業運航のラストフライトとなったHD12便は、新千歳空港を午前7時57分(定刻午前8時)に出発し、羽田空港には午前9時29分(同午前9時35分)に到着した。JA01HDは羽田を拠点に運航しており、羽田発のラストは前日26日の札幌行きHD37便で午後8時22分(同午後8時15分)に出発し、午後9時50分(同午後9時45分)に到着した。
エア・ドゥは1996年11月14日、「北海道国際航空」として札幌市内に設立。同社の767は初期導入の2機が退役するまで、航続距離延長型の767-300ERが4機(1クラス286席、288席、289席)と、標準型の767-300(同288席)が2機の計6機体制だった。初号機のJA98ADは同社唯一の新造機で1998年3月27日に引渡され、1月20日の札幌発羽田行きHD20便が最後の商業運航となり、同月26日に日本を離れた。
2号機のJA01HDも、3月には売却先へ向かう見通し。これにより、エア・ドゥの機材は全日本空輸(ANA/NH)が運航していた機材に統一される。ANAはエア・ドゥとコードシェア(共同運航)を実施している。
2020年9月30日現在、エア・ドゥの筆頭株主は日本政策投資銀行(DBJ)で、持ち株比率は32.49%。第2位はANAなどを傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)で13.61%、第3位は双日(2768)で10.00%などとなっている。
JA01HDの最終運航(定刻/実績)
HD37 羽田(26日20:15/20:22)→新千歳(26日21:45/21:50)
HD12 新千歳(27日08:00/07:57)→羽田(27日09:35/09:29)
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