帝国データバンクによると、エアアジア・ジャパンが東京地方裁判所から破産手続き開始決定を2月24日に受けた。申請時の負債総額は217億円。2020年11月に破産手続き開始の申し立てを同地裁に行っていた。
エアアジア・ジャパンは中部空港(セントレア)を拠点とし、国内線は札幌(新千歳)線と仙台線、福岡線、国際線は台北(桃園)線の計4路線を運航していた。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で運休が続き、9月22日に中部-札幌線を2往復運航したのが最後となった。
国土交通省には10月5日に12月5日付で事業を廃止すると届け出て、11月17日に東京地方裁判所へ破産手続き開始の申し立てを行った。負債総額のうち、航空券の未返金は約3億7000万円だった。
国内の航空会社では、初の新型コロナによる利用減に伴う倒産だが、関係者からはエアアジア・ジャパンの経営や戦略にもコロナ前から課題が山積していたという指摘もあり、コロナだけが倒産理由とは言いがたい面もあるようだ。
エアアジア・ジャパンの機材はエアバスA320型機が3機で、いずれもリース機。座席数は初号機(登録記号JA01DJ)と2号機(JA02DJ)が1クラス180席、3号機(JA03DJ)が1クラス186席で、全便運休前の9月に稼働した機体は3号機のみだった。2号機は12月8日に中部を出発し、那覇経由でシンガポールへフェリーされ、国交省には12月28日付で機体の抹消登録がなされた。
3号機は1月27日に、残る初号機も3日後の30日に中部を出発し、那覇経由でエアアジアグループの拠点であるマレーシアのクアラルンプールへ向かい、全機が日本から姿を消した。
エアアジア・ジャパンの撤退は、2013年10月以来2度目。第1期のエアアジア・ジャパンは今回倒産した第2期の会社とは別会社で、持株会社化前の全日本空輸(ANA/NH)との合弁で2012年8月1日に就航し、2013年10月26日で運航を終えた。
第2期は、エアアジアが楽天(4755)などと共に日本市場へ再参入すると2014年7月1日に発表したものの、就航は当初計画より約2年遅れの2017年10月29日となった。マレーシアのエアアジア本体は、エアアジア・ジャパンに33%出資していた。
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エアアジア
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