日本航空(JAL、9201)は6月19日、再上場後初の株主総会を東京・千代田区の日本武道館で開催した。2009年6月以来およそ4年ぶり。2014年3月期決算からすべての外国人株主に配当できるようにする定款変更や、取締役の選任など、3つの議案をすべて可決して閉会した。
株主からは、ボーイング787型機の安全性を問う声が相次いだ。JALの植木義晴社長は、「運航再開にあたり国土交通省航空局(JCAB)と米国連邦航空局(FAA)から承認を得たが、社として飛ばして大丈夫なのかを十分確認した。安心して利用して欲しい」と応じた。
787のトラブルに関連し、ボーイング機に集中している機材選定についても、株主から質問が出た。常務執行役員の乘田俊明・経営企画本部長は「高度な安全性と長期使用に耐える機材品質、メーカーのサポート体制、経済性、保有機材の更新時期を総合的に考えて選定している」と回答。特定のメーカーや機種にこだわらずに研究していると述べた。
今後の配当については、「(純利益の20%とする)配当性向を基本に出していく会社にしたいが、そのときの業績見通しやキャッシュの積み上がりで決めていく」(植木社長)との姿勢を示した。
また、外国人株主へのピーアールについて尋ねられた植木社長は、海外の機関投資家を訪問した際に「1時間のうち、一度も数字(業績)の話をしない人がいた。どうやって立て直したのかを真剣に聞かれた」との逸話を披露。業績に加えて、安全対策やサービス、再建の礎となった「JALフィロソフィ」についても説明していると語った。
株主総会は会社側提案の3議案を可決して閉会。客室乗務員出身で、女性社員初の取締役となる大川順子客室本部長ら7人の取締役が選任された。
入場者数は1627人で、09年の3413人の約半分。所要時間は2時間19分だった。
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