新型コロナウイルスの感染拡大以降、金券ショップで値下がりが続いていた航空各社の株主優待券。2月13日に起きた福島県沖を震源とする地震の影響で、東北新幹線の一部運休が続いているためか、全日本空輸(ANA/NH)や日本航空(JAL/JL、9201)の優待券価格は現在値上がりしている。新幹線の運休に伴い、両社が東北方面へ臨時便を運航している影響もあるようだ。
地方取材で使う株主優待運賃の航空券を購入するため安く優待券を入手しようと、16日に多くの金券ショップが店を構える東京・新橋駅前のニュー新橋ビルを訪れた。前回優待券を買った地震前の8日と比べて販売価格がおおむね1.5倍になっており、1枚1000円を下回る店は私が各店を巡った限りは見当たらず、有効期限が短くより安価な優待券が売り切れている店もあった。
8日にビル内の店舗を巡った際は、券面に記載された有効期限が昨年11月末までで、コロナ影響による特別措置により今年5月末まで延長された優待券の場合、編集部調べの最安値はANAが1枚850円、JALが900円だった。新型コロナウイルスの感染拡大前は1枚4000-5000円程度だったことを考えると、国内線の大幅減便がそのまま販売価格にも表われていた。
これが16日には、有効期限が5月末までのものはANAとJALとも1枚1200円が最安値で、1300円から1400円程度の店も多くみられた。さらに有効期限が長い優待券の場合はプラス200円程度で販売している店が目立った。
JR東日本(東日本旅客鉄道、9020)によると、東北新幹線の全線運転再開するまでには23日ごろまでかかる見通し。この後は緊急事態宣言の解除、航空各社の減便軽減といった優待券の利便性が向上するタイミングで販売価格に変化が生じそうだ。
一方、優待券を入手して搭乗便変更が可能な株主優待運賃で航空券を購入すると、航空会社の割引運賃よりも割高になる場合もあるため、優待券の値上がり具合によっては早期割引運賃やLCCを活用する方が交通費を抑えられそうな値付けになってきた。
・値崩れ激しい株主優待券、ANAは850円も 早期割引運賃と要比較(21年2月8日)
・JAL、19日まで臨時便 羽田-仙台など5路線(21年2月16日)
・ANA、羽田-仙台など臨時便継続 20日まで4路線(21年2月15日)
・JALとANA、定期便ない仙台・福島など臨時便 16日も運航(21年2月15日)
・スカイマーク、神戸-仙台臨時便 28日まで1日1往復(21年2月15日)