ボーイングは1000機目の767がロールアウトして10年を迎えた現地時間2月2日、当時の様子をTwitterで紹介した。当該機は全日本空輸(ANA/NH)の767-300ER(MSN:40567、登録記号JA622A)で、ロールアウト式典が開かれたシアトル近郊のエバレット工場に隣接するペインフィールド空港から、同月24日に羽田へ向けて飛び立った。
ボーイングでは、1000機を境に767の生産ラインを新しいものに変更。1001号機からは効率化が図られた新ラインに移行した。従来のラインで組み立てる最後の機体がANA向けの767となり、2011年1月10日に最終組立を終えた記念式典、2月2日にロールアウト式典が開かれた。
767は、2014年にカザフスタンのエア・アスタナ(KZR/KC)へ767-300ER(Line No.1068、MSN:42223、登録記号P4-KEC)が納入されたのが最後。その後は貨物機の767-300Fと、米空軍の空中給油・輸送機KC-46Aが生産されている。
ボーイングの納入履歴によると、2011年の767-300ERの引き渡しは15機、2012年は14機、2013年は9機、2014年は1機。日本の航空会社向けは、2011年は日本航空(JAL/JL、9201)へ6機とANAへ5機の計11機、2012年はANAへ2機のみで、2013年以降の引き渡しはない。JALへ最後に引き渡された機体はJA659J(Line No.1017、MSN:40371)で2011年12月、ANAへはJA627A(Line No.1023、MSN:40898)で2012年3月の納入となっている。
貨物機の767-300Fは、旅客機の引き渡しが最後となった2014年から見ていくと、2020年12月までに100機が引き渡された。フェデックス・エクスプレス(FDX/FX)が90機と大半を占め、2019年から受領しているUPS航空(UPS/5X)が10機となっている。また、767-200ERを母機とするKC-46Aは、42機が引き渡されている。
2020年12月末時点での民間向け767の受注残は、767-300Fが44機。このうちフェデックスが36機、UPSが3機で、匿名顧客から5機を受注している。KC-46Aは、米空軍向けが179機、航空自衛隊向けが6機の計画となっている。
関連リンク
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ボーイング・ジャパン
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