ボーイングは現地時間2月2日(日本時間3日)、開発を進めている米空軍向け最新複座戦闘機F-15EXの初飛行に成功したと発表した。1-3月期(第1四半期)中の納入開始を目指す。
F-15EXは、ボーイングの工場が隣接するセントルイス・ランバート国際空港を離陸し、約90分間の試験飛行を実施。アビオニクスなどを中心に、機体が設計通り機能しているかを確認した。
F-15EXは米国専用の双発複座戦闘機で、空軍は老朽化したF-15C/Dの後継機として導入。フライ・バイ・ワイヤ方式の飛行制御や新たな電子戦システム、最新のコックピットやミッションコンピューターなどを採用している。現行機では、2020年4月に初飛行したカタール空軍向けF-15QAがもっとも近い機体で、フライ・バイ・ワイヤやデジタルコックピットなどを採用している。
アドバンスト・ディスプレー・コア・プロセッサーIIやオペレーション・フライト・プログラム・スイート9.1Xなどで構成するアドバンスト・ミッション・システム、1秒間に870億回の命令処理能力を持つミッションコンピューター、AESA(アクティブ・フェーズド・アレイ)レーダー、デジタル電子戦システム、12カ所の空対空兵器用ハードポイント、9Gでも戦闘能力を発揮できる機体の耐久性、メンテナンス性の向上などを特徴としている。
3月までに最初の2機が引き渡される予定。現時点で144機の製造を計画している。ボーイングは、航空自衛隊が運用するF-15J戦闘機の近代化改修に向けた契約を三菱重工業(7011)と2020年7月に締結しており、F-15EXが採用した技術も取り入れた改修内容になる見込みで、コックピットの近代化や、スタンド・オフ・ミサイルの搭載、搭載弾薬数の増加、電子戦の能力向上などを行う。
*F-15EXの詳報はこちら。
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F-15EX(Boeing)
U.S. Air Force
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