国内を飛ぶターボプロップ機の若返りが徐々に進んでいる。2016年2月に天草エアライン(AHX/MZ)が2代目「みぞか号」(ATR42-600型機、登録記号JA01AM)を就航させ、国内の航空会社として初めてATR機を導入。2017年4月に日本エアコミューター(JAC/JC)、2020年4月には北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)もATR機を就航させた。天草はボンバルディア(現デ・ハビランド・カナダ)DHC-8-100、JACはボンバルディアQ400とサーブ340Bからの置き換えで、HACも年内に3機のサーブ340BをすべてATR42-600に刷新する。
機材更新で課題となるのは、パイロットのライセンス移行や新たな整備機材の導入だが、客室乗務員が訓練に使う客室モックアップの改修も必要になる。非常脱出や機内サービスの訓練は通常、モックアップを使って実施される。このため、従来と異なる機種を航空会社が導入するのは思いのほかハードルが高く、負担が大きい。
実機を使うことも可能だが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で大量減便が生じるまでは、どこの航空会社もほぼフル稼働。実機で訓練するとなれば、運航が終わった夜などに限られてしまい、訓練スケジュールを組みにくい。そこでモックアップと実機による訓練を組み合わせるなどの方法で、訓練を効率化している。
JACの場合、Q400(1クラス74席)が2018年11月30日、サーブ340B(同36席)は2019年12月20日に退役し、ATR機への機材更新が完了。ATR42-600(同48席)が7機と、ATR72-600(同70席)が2機の計9機となった。これに伴い、JACが拠点を置く鹿児島空港の航空展示室「ソラステージ」内に展示されているモックアップも、2020年4月1日から8月6日まで改修工事が行われ、Q400を想定したものからATR機を模したものにリニューアルした。
外観はQ400のまま内装をリニューアルし、前方の非常口や後部の搭乗口を新設。シートもATRの実機をイメージした本革仕様に端材を活用して衣替えし、後方のギャレー(厨房設備)や収納スペースも再現した。前方のシートはQ400のものをATR風にしたもので、後方はサーブなどのものを流用して機内を再現している。
ソラステージは入場無料で、鹿児島空港の歴史といった資料展示に加え、本物のエンジン部品などを展示。モックアップも訓練がない時間帯などは見学できる。
*ATR42実機の機内はこちら。
*写真は24枚。
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