日本航空(JAL/JL、9201)が10月30日に発表した2020年4-9月期(21年3月期第2四半期)連結決算(国際会計基準)の最終損益は1612億2600万円の赤字(前年同期は541億6300万円の黒字)だった。売上高にあたる「売上収益」は前年同期比74.0%減の1947億9100万円、本業のもうけを示す「EBIT(利払い・税引き前損益)」は2239億7200万円の赤字(同829億4300万円の黒字)となった。
これまで未定としていた2021年3月期通期の連結業績予想は、最終損益が2400~2700億円の赤字(前期は534億700万円の黒字)を見込む。JALは今期(21年3月期)から国際財務報告基準(IFRS)を適用。以前の日本会計基準を含めると、通期の最終赤字は2012年9月19日の再上場以来初めてとなる。
今年度内には、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を加味した新中期経営計画を策定。30日に国土交通省で会見したJALの菊山英樹専務執行役員は、「ビジネス需要がコロナ前に戻るとは思っていない。LCCは早期に需要が戻ってくるので、コロナ前以上に期待できる」と述べ、FSC(フルサービス航空会社)であるJALと、100%子会社であるZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)を中心とするLCC(低コスト航空会社)の両輪で回復需要を取り込む。
また、航空需要への依存度が低い新事業を育て、リスク耐性を強化する。
—記事の概要—
・コストと役員報酬削減
・国際線
・国内線
・貨物
・為替と燃油、財務状況
・21年3月期見通し
*機材関連はこちら。
コストと役員報酬削減
燃油費などの収入・供給連動費用(変動費)は、対前年からの減収額5541億円の約40%にあたる2178億円を削減。人件費や広告宣伝費、IT経費などの固定費は、前年比341億円減少した。固定費は当初想定から900億円の削減目標を掲げていたが、第2四半期までで640億円を削減できているという。このため、さらに100億円の削減を積み増し、計1000億円の削減を目指す。
投資計画は、当初想定比で年間800億円の抑制を目標としてきたが、さらに100億円抑制。計900億円の抑制を目指す。
機材面では、国際線と国内線に投入している大型機のボーイング777型機を早期退役させ、後継のエアバスA350-900型機へ置き換えることで機材費や整備費を抑え、二酸化炭素(CO2)排出量も削減する。一方、観光需要の回復が出張需要よりも早いと判断し、ZIPAIRが運航するボーイング787型機の3-6号機の導入を決めた。ZIPAIRはJALがかつて運航していた787-8を2機リース導入しており、3-4号機も同様にJAL機を転用する(関連記事)。
役員報酬は、12月まで実施が決まっている10%削減を当面延長。来年度は役員報酬の半分を占める業績連動分を現時点で支給しないことを決め、来年度の役員報酬はトータルで55%減となる。
一般社員の給与は、ボーナス削減で上期は200億円削減。冬のボーナスは労働組合と交渉中だという。菊山専務は「(10年前の)破綻で賃金体系は効率化を達成していると認識している」と述べた。
国際線
国際線の旅客収入は
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