北海道エアシステム(HAC、NTH/JL)は10月27日、札幌(丘珠)-女満別線の運航を再開した。平日の週3往復運航運航し、札幌からの医療従事者など、ビジネス需要を狙う。同路線は2012年まで運航しており、8年ぶりの再開となった。
—記事の概要—
・平日に週3往復
・取締役「覚悟持って運航」
・ATR 2号機は21年5月に
平日に週3往復
運航日は10月27日から12月24日と、2021年1月6日から3月27日は週3往復で火曜と水曜、木曜に運航する。年末年始の12月25日から1月5日までは、1日を除いて毎日運航する。
運航スケジュールは、女満別行きJL2721便が丘珠を午前10時35分に出発し、午前11時25分着。丘珠行きJL2720便は午前11時55分に女満別を出発して、午後0時50分に到着する。12月25日から1月5日までは、JL2721便が丘珠午前9時発、JL2720便が女満別午前10時20分発となる。機材はサーブ340B型機(1クラス36席)を投入する。
再開初便となった女満別行きJL2721便(サーブ340B、登録記号JA01HC)は、35人(うち幼児2人)が利用。機材整備のため丘珠を10分遅れの午前10時45分に出発し、女満別には午前11時32分に到着した。丘珠行きJL2720便は乗客27人(うち幼児1人)が搭乗。午後0時5分に女満別を出発し、午後1時に丘珠へ到着した。
8年ぶりの就航となった女満別空港では、HACの山口俊治取締役のほか、2021年3月の運営開始が決まっている北海道エアポート(HAP)らが横断幕を掲げ、再開初便の利用客を見送った。乗客には搭乗証明書と手ぬぐいや定規などのグッズなどをプレゼントした。
取締役「覚悟持って運航」
HACは冬ダイヤが始まった10月25日から、丘珠-三沢線を週7往復(1日1往復)から週4往復(金土日月運航)に減便。山口取締役によると、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、米軍関係者の観光利用が減少したため減便したという。三沢線の減便分を女満別線に充当し、医療関係者や出張など、道東地域へのビジネス需要獲得を狙う。
山口取締役は「丘珠は札幌市内から6キロ。道東への生活路線としても使って」と利便性をアピール。将来的には1日1往復のデイリー化も視野に入れるという。「路線を育て、覚悟を持って運航したい」と意気込みを語った。
ATR 2号機は21年5月に
HACは札幌の丘珠空港を拠点とする日本航空(JAL/JL、9201)グループの地域航空会社。同じくグループで地方路線を担うジェイエア(JAR/XM)が運航する札幌(新千歳)-女満別線とともに、札幌市を中心とした道央とオホーツク側の道東を結ぶネットワークを充実させる。
同社は2011年6月1日に拠点を新千歳空港から丘珠へ移した。女満別線は新千歳を拠点としていた2010年10月1日から2011年5月31日までは、新千歳-女満別線として運航。2011年4月9日から2012年10月27日までは、丘珠-女満別線を運航しており、8年ぶりの運航再開となった。
女満別線の再開で、HACの路線数は6路線に増える。同社は今年4月12日から22年ぶりとなる新機材ATR製ATR42-600型機の運航を始めたが、9月に予定していた2号機(登録記号JA12HC)の受領は、新型コロナウイルスの影響で2021年5月を計画する。現在はATRが1機、サーブが2機の計3機体制で運航している。
運航スケジュール
10/27-12/24、1/6-3/27(運休:11/3、2/11、2/23)
JL2721 札幌丘珠(10:35)→女満別(11:25)
JL2720 女満別(11:55)→札幌丘珠(12:50)
12/25-1/5(運休:1/1)
JL2721 札幌丘珠(09:00)→女満別(09:50)
JL2720 女満別(10:20)→札幌丘珠(11:15)
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