ピーチ・アビエーション(APJ/MM)は冬ダイヤ初日の10月25日、次世代機となるエアバスA320neoの初号機(登録記号JA201P)を就航させた。初便は関西発札幌(新千歳)行きMM103便で、乗客145人(幼児1人含む)を乗せて関西空港を午前9時42分に出発し、午前11時26分に新千歳空港へ到着した。国内LCCがA320neoを運航するのは初めてで、エンジンも国内の航空会社では初めてCFMインターナショナル製「LEAP-1A」を採用した。
ピーチのA320neoは、座席数が1クラス188席。ラバトリー(化粧室)とギャレー(厨房設備)の配置を見直すことで客室後部スペースを有効活用するエアバスの客室レイアウトオプション「Space-Flex」を採用したことで、既存のA320ceo(従来型A320)と同等のシートピッチの28インチ(71センチ)を維持しつつ、座席番号31列目6席と32列目2席の計8席を増やした。25日の時点では、増席分は発売していなかった。
シートは、背もたれが15度倒れた状態で固定された独レカロ製SL3510「プレリクライニングシート」を採用。SL3510は、2019年3月に就航したA320ceoの24号機(JA824P)から採用している。また、座席番号の表示はサイズを大きくして立体化することで、視認性を高めている。
A320neoファミリーのエンジンは、LEAP-1Aと米プラット・アンド・ホイットニー(PW)製「PW1100G-JM」の2機種から選べるが、ピーチのA320neo初号機は、LEAP-1Aを選定している。国内の航空会社では初採用した。A320neoは従来のA320ceoと比べて最大約20%燃費が向上するが、そのうち15%はLEAP-1Aによる改善となる。
航続距離も伸び、従来のA320ceoの2120海里(3926キロ)からA320neoは2730海里(5056キロ)に伸びた。関空を起点とした場合、A320ceoは中国やフィリピンまでの飛行距離だったが、シンガポールなどへ飛べるようになる。また、滑走路オーバーラン防止装置「ROPS」を新たに装備し、安全性が向上した。
ピーチは2016年11月にA320neoを10機発注し、2018年7月にうち2機をA321LRに変更。2019年1月29日には、ピーチの親会社であるANAホールディングス(ANAHD、9202)がA320neoを18機発注すると発表した。その後の発注変更などを経て、現在の発注数はA320neoが28機、中距離国際線などに投入予定のA321LRが6機となっている。今回のA320neo就航で、機材数は32機となった。
初日の25日は関西発札幌行きMM103便の後、札幌発仙台行きMM414便、仙台発関西行きMM136便に投入する。
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ピーチ・アビエーション
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