デルタ航空(DAL/DL)は、ボーイング777型機を10月末で退役させる。中国から拡散した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による需要減を受けた措置で、10機の777-200LRと8機の777-200ERの計18機をすべて退役させ、後継のエアバスA350-900型機に置き換えて運航コストを削減する。現地時間10月31日のニューヨーク(JFK)発ロサンゼルス行きDL8807便がラストフライトになる。
デルタは1999年に同社初の777として777-200ERを導入。長距離型の777-200LRは2008年に就航した。当時は拠点の米アトランタと南アフリカのヨハネスブルグ、ロサンゼルスと豪シドニーなど長距離直行便にも投入していた。2017年に就航したA350-900に置き換えることで、1座席あたりの燃費が21%改善するという。
5月の時点では年末の退役予定だったが、需要動向などを勘案して前倒しした。
ラストフライトとして、拠点のアトランタからの最終便ロサンゼルス行きDL8787便を30日に運航。同便と31日のDL8807便を777による最終便とした。いずれも777-200LRで運航する。
デルタはこれまでもマクドネル・ダグラス(現ボーイング)MD-88型機を全47機、全26機のMD-90を6月に退役させ、9月には737-700を10機退役させた。エアバスA320型機も10機、767-300ERも7機が6月で退役しており、今後は2023年末までにリージョナルジェット機のボンバルディア(現MHIRJ)CRJ200を125機、2025年末までに91機の717(旧MD-95)と767-300ERの残り49機を退役させる。
一方で、燃費が向上しているA330-900(A330neo)やA350-900を導入し、運航コストを抑える。37機発注済みのA330-900は年内に3機受領後、残り29機は2021年から2025年にかけて引き渡される見通し。35機発注済みのA350-900は9月から2機が引き渡され、残り20機を2022年から2026年にかけて順次受領していく。
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デルタ航空
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