日本航空(JAL/JL、9201)の100%子会社で中長距離国際線LCCのZIPAIR(ジップエア、TZP/ZG)の西田真吾社長は10月16日、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で旅客便を運航できない成田-バンコク線について、バンコク発の片道のみの旅客運航を検討する意向を示した。計画している成田-ホノルル線は、年内の就航を目指す。
ZIPAIRは、最初の路線となる成田-バンコク線の旅客便を5月14日に就航させる予定だったが、新型コロナの影響で延期となり、旅客機を使った貨物専用便を6月3日から週4往復運航している。9月12日から貨物便で就航した成田-ソウル(仁川)線は、10月16日から旅客便の運航を開始した。
タイは現在、日本からの旅客便乗り入れを受け付けていない。一方でタイを出発する国際線の運航は許可している。西田社長はバンコク線について、旅客便はバンコク発便のみの片道運航を視野に入れるとした上で、「早ければ(10月25日に始まる)冬ダイヤの期初から始めたい」と述べた。旅客便就航に向け、進捗(しんちょく)は順調だという。
今後の目玉となるホノルル線は、ボーイング787-8型機で週7往復(1日1往復)運航する計画。同社の787は、エンジンが1基停止しても洋上飛行が一定時間可能な航空当局の認証「ETOPS(イートップス)」を取得した。
西田社長はホノルル線について、冬ダイヤの期初から始める準備は進めているものの、防疫体制など当局の手続きに時間を要するものもあるとし、「11月の早い段階では準備を整え、ハワイへの乗り入れ解禁を待つ」と語った。
当初の便数は週7往復より減少する見込み。「マーケットがどのくらいあるかを見定めてから」(西田社長)便数を決定する見通しで、年内の就航は「十分に行ける」とした。
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