JAXA(宇宙航空研究開発機構)と全日本空輸(ANA/NH)を傘下に持つANAホールディングス(ANAHD、9202)は9月28日、人工衛星と旅客機から都市域の大気成分などの分布を観測する「リモート・センシング」の共同研究を始めると発表した。
JAXAは温室効果ガス観測技術衛星「いぶき」により、地球全体の温室効果ガスの増加を2009年から捉えてきた。今回の研究では、いぶきの観測技術を応用したJAXAの観測機器をANAの旅客機内に持ち込み、主要都市での二酸化炭素や二酸化窒素などの大気成分の詳細な濃度分布を観測する。このデータといぶきをはじめとする人工衛星が取得したデータを組み合わせることで、地球全体を観測する人工衛星だけでは把握が難しかった都市域での人間の活動に伴う温室効果ガスの排出量を、交通や産業などの発生源別に評価する。
ANAの旅客機を使った観測は、羽田-福岡線から観測実験を始める予定。観測データの提供により、世界各国に温室効果ガス排出量削減のための対策を義務付けたパリ協定への貢献を目指すという。
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